Vol.211 年の初めに思うこと                     —ーー”「自然」と「人間」との関係” について                        

[その他スピリチュアル分野]

新年明けましておめでとうございます。
謹んで、令和3年—2021年—辛丑(かのとうし)、年頭のご挨拶を申し上げます。


昨年は世界中がコロナの大波に襲われ本当に大変な一年でした。

人間みな、洋の東西を問わず、直接間接に、そして大なり小なりに、その影響を受けた訳ですが、引き続き本年もまだまだ余波に苦しめられるものと案じています。

   
     (実は私もまた、コロナを遠因とする出来事に間接的に
      巻き込まれ、年後半は何かと大変でした。
      それもあってこの場の更新が滞り、ご心配をお掛け
      致しました)


さて、今から約100年前の関東大震災について、偉大な仏教学者鈴木大拙師(1870〜1966)は、その翌月、『震災所感』のなかで、

   “自然が、人間のやった仕事にたいして、「意見」を吐いた“ 

と述べておられます。

私は今回のコロナ禍もまた、『自然が意見を吐いた』ものであり、「自然からの警告」、更に言えば、人間に対する「自然の復讐」でもあると捉えています。


人間は元々は、自然界の中のか弱い生きものの一つに過ぎなかった訳ですが、次第次第にそこからひとり離れ、特に近代以降は急速に、他の生きもの全てを含む自然全体を、“「征服」と「収奪」の対象” としてきています。

更には、例えば、「脳死」という新概念の下「心臓移植」に手を染める等、自然から授かった己の肉体・命に対してさえ、明らかに自然に背く施術を始めています。

これでは、自然の側が反応することはしごく当然であり、これからも、いずれ遠からぬ中日本大震災を含め、「自然の復讐」が続くことは不可避と考えています。

この“「自然」と「人間」との関係” について、畏敬するお二人の言葉を以下に記させて頂きます。
深い共感を覚えます。


初めは、私の「心の師」のお一人である心理学者(故)河合隼雄先生(1928〜2007)です。
以下は、「性転換手術」についての項の結びです。


    “人間は自然に反する性格をもっている不思議な生物である。
    人間の文明の進歩と称せられることは、人間の反自然の
    特性のあらわれである。
    このことによって、人間はできる限りの自由と快適さを
    得ようと努力してきた。

    しかし、今はそのような傾向について反省が生じてきている。
    少しぐらい不自由で不便であっても、自然と共存する道を
    考える態度が評価されるようになった。

    自然に与えられた身体に反して幸福を得る自由は、
    現在において許されるとしても、既に述べた多くの
    チェック・ポイントを決して無視してはならないと思う。“

        (『縦糸横糸』の第3項、“異なる性を生きること
                    2003年 新潮社刊)

次は、『逝きし世の面影』で知られる大思想家、渡辺京二先生(1930〜 )
です。


    “ともに生きる感覚、人とだけではない、自然とも生物とも
    つながって生きる感覚、謙抑・断念と受苦の覚悟、
    思いやりとわきまえ、おのれを知る分別、自分の短い生が
    歴史の持続のうちにある実感、存在するものへの愛と
    よろこび、虚無に耐える大いなる自覚、
    そんなものを昔の人が全部持っていたとは言わない。

    でも少しずつ持っていて、それで共同の交わりが
    成り立っていたのは 確かではなかろうか。
    そして、現代人はそういった感覚を初めから知りようがなく、
    従って養いようもないのは否めない事実ではなかろうか。“

             (『さらば、政治よ 旅の仲間へ』
                   2016年 晶文社刊)

“「自然」と「人間」との関係” が、完全に「非対称」になってしまった現代という時代、、、、、、それを元に戻すのは、もはや形而下的アプローチのみでは不可能と考えています。


さてさすれば、いかにして「自然の復讐」を免れるか?

私は、「自然」と「人間」とが再び対等に心を通わせ、「対称性」を取り戻すことが唯一の道と確信しています。

そして、その具体的な第一歩は、“人間は他の動植物・大自然と全く同じ「生きもの」であり、「自然」の一部である” ことを改めて謙虚に認識し直し、「自然」への思いやりの心・感謝の心を取り戻すことと思っています。

世界中の人間が、少しずつでもそんな心を取り戻していけば、「自然」は間違いなく復讐の手を緩めるものと固く信じています。


      (尚、本稿に関連し、今から17年前に記しました、

          Vol.7 “「近代合理主義」の功と罪”

       も併せご参照頂ければと存じます。

       結びとして、『人間を再び自然界に戻す』と記しています)

                         (完)

2021年01月01日

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