Vol.207   『倦』  ——私が選んだ「今年の漢字」——        ——『あぐむ』と『うむ』、二通りの読み方・意味あり!

[その他政治・社会分野]

日本漢字能力検定協会は先週、2019年「今年の漢字」に『令』が選ばれたと発表しました。
もちろん「令和」の『令』であり、極めて順当な結果と言えます。


一方、私の選んだ「今年の漢字」は『倦』です。

「倦怠感」の『倦(けん)』ですが、『あぐむ』と『うむ』の二通りの訓読み・意味があります。


(この「今年の漢字」について私はこれ迄3回、いずれも政治がらみの観点からその年の「漢字」を記させて頂いております。

改めて読み返してみますと、過去10年のわが国政治のさまざまな動きが思い起こされ、実に感慨深いものがあります。
以下がその三つの「漢字」です。


——2010年(民主党への政権交代の翌年) :  『漂』

   (Vol.102 暑・迷・失・空・軽・溶、、、
                   「今年の漢字」アラカルト)

——2013年(第2次安倍政権発足の翌年) :  『国』

   (Vol.149 “「今年の漢字」は『国』!
     —第2次安倍内閣のこと、「ポスト近代国家」のこと、など“)

——2015年(前年の安倍内閣による「解釈改憲」と解散・総選挙を受け、
      「新安保法制」が成立した年 ) :  『逆』

   (Vol.175 “「今年の漢字」は『逆』! 
      ———第2次安倍政権、1年目は『国』、3年目は『逆』)“ )


さて今年の漢字『倦』ですが、「デジタル大辞泉」によれば、『あぐむ』と『うむ』の意味はそれぞれ次の通りです。
 

  『倦(あぐ)む』:その事をしつづけてもよい結果が出ないので、
           どうしたらよいかほとほと困る。
           また、いやになる。もてあます。あぐねる。

   『倦(う)む』: 1. 退屈する。嫌になる。飽きる。
           2. 疲れる。 くたびれる。
          

   
  

さてそれでは、今一番『倦(あぐ)んでいる』のは誰でしょうか?
そして、『倦(う)んでいる』のは?


先ず、最も『あぐんで』いる人———全てが思う様に進まず、ほとほと困り果て、もてあまし、いやになっている人———ですが、それは紛れも無く安倍首相ご本人と考えています。


「アベノミクス」も「地方創生」も「女性活躍」も、今だに顕著な成果は得られず、また、北方領土や北朝鮮拉致問題、日韓関係も前進どころか後退悪化中、悲願の憲法改正も視界全く不良、、、などなど、首相就任当初の意気込みと自信はすっかり影を潜め、「モリ・カケ」や「桜」のやましさもあって内心完全に『あぐんでいる』のが、昨今の安倍首相および昭恵夫人と見受けます。

一部にある安倍総裁4選の動きなどは、ご本人や夫人にとっては殆ど拷問に等しく、私は希望的観測も含め、来年のどこかの時点で、総裁・首相辞任、新総裁・新首相誕生となる公算が大きいと思っています(従って解散・総選挙は新首相によって行なわれることになります)


一方、『うんでいる』人———「安倍1強」にうんざりし、疲れ果ててもう嫌になっている人———は、広く国民一般であると言えます。


今や、憲政史上最長の安倍政権!

一見、「安倍一強体制」は揺るぎないものに見えますが、実は上記の通り内政外交ともに「かけ声倒れ」、いわば「やるやる詐欺」みたいなものであり、他方、長期政権特有のおごりと緩みは目に余るものがあります。

これでは『人心が倦(う)む』のは至極当然であり、いったん流れが変わり始めれば、与党内や霞ヶ関からもいろいろな動きが一挙に噴出し、「一強」は意外に脆く崩れ去るものと私は考えています。


『倦』の2019年———それは、国民が『倦(う)み』、首相が「倦(あぐ)む」年でしたがーーーそんな年も残るところあとわずかとなりました。


来年の干支(かんし、えと)は「庚子(かのえ・ね)」ですが、その前の「庚子」は1960年(昭和35年)で、この年は「60年安保」の年です。
そして安倍首相の祖父岸首相が、国民から激しく『倦(う)まれ』て退陣を余儀なくされ、後任首相に「宏池会」の創立者池田勇人氏が就任、政治の流れが大きく変わった年でした。

何やら不思議な因縁を感じさせますが、とにもかくにも1日も早い「人心一新」の実現を強く望むものです。


    (尚、「人心一新」につきましては、令和改元の1ヶ月半後に、
     以下の問題提起をさせて頂いております。
     文中では、早期辞任願いたい方々の実名もあげさせて
     頂きました)

    Vol.205 “閉塞打破に向け、更なる「人心一新」を!
       ——各機関・組織の長期在任トップへ『令和辞任』の勧め“)

                       (完)

2019年12月15日

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