Vol.201 『三宝』とは、『三帰依』とは                       ———聖徳太子十七条憲法の第二条と共に

[その他仏教関連]

『三宝(さんぽう、さんぼう)』も、『三帰依(さんきえ)』も仏教の言葉で、

  『三宝』とは、「ブッダ」・「ダルマ」・「サンガ」の「三つの宝物」のこと
  (漢字では、「仏」・「法」・「僧」の三つ)、   そして、

  『三帰依』とは、その「三つの宝物」に「帰依」すること、即ち、
   「『三宝』を信奉し自らの拠り所にする」と決意することです。
   仏道に入門する、仏教徒になることを意味します。


「三つの宝物」のそれぞれについては、中村元先生編「仏教語源散策」の中の
『三宝』に次のように記されています。 明快です。


    “真理にめざめた人をブッダといい、ブッダのさとった真理を
    ダルマとよぶ。
    その教えを信奉して修行する者たちの集団をサンガという。

    ブッダは漢字で「仏陀」と書き「仏」と略する。
    ダルマの漢訳が「法」であり、
    サンガを音写した「僧加」の省略形が「僧」である。

    この仏と法と僧の三つを合わせて『三宝』というのである。“


「ブッダ・仏」は上記の如く、お釈迦様(仏教の開祖ゴータマ・シッダールタ)ご本人だけを意味するものではなく、真理に目覚めた人は誰でも「ブッダ・仏」であり、その教えは全て「ダルマ・法」という位置づけです。


仏教はこの点で、一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)とは大きく異なり、その教えは常に拡充・深化を遂げている宗教と言えます。
(勿論、お釈迦様が大本であることに全く変わりは無く、お釈迦様の直接の教えは、「原始仏教」・「原始経典」と呼ばれ最も崇められています)


『三宝』は、“和を以て貴しとし、、、、” で始まる十七条憲法にも登場します。

推古12年(604年)、聖徳太子によって作られたとされる十七条憲法は、わが国最古の成文法ですが、それは近代憲法とは異なり貴族や官吏に対して道徳的な規範を示す法律です。


以下は、その第一条 “和を以て貴しとし、、、” に続く第二条の原文と、中村元先生による読みくだしです(中央公論社「聖徳太子」より)


   “二曰 篤敬三宝 三宝者仏法僧也 則四生之終帰 万国之極宗
   何世何人非貴是法 人鮮尤悪 能教従之 其不帰三宝 何以直枉“


   “二に曰(いわ)く、篤(あつ)く三宝を敬え。三宝とは仏と法と僧なり。
   すなわち四生の終帰(よりどころ)、万国の極宗(おおむね)なり。
   いずれの世、いずれの人か、この法を貴ばざらん。
   人、はなはだ悪しきもの少なし。よく教うるをもて従う。
   それ三宝に帰(よ)りまつらずば、何をもってか枉(まが)れるを
   直(ただ)さん“


上記を私なりに現代語に直してみますと次の通りです。

    “真心を込めて三宝を敬いなさい。
    三宝とは仏・法・僧の三つですが、広く仏教そのものを意味します。

    仏教は生きとし生けるもの全ての拠りどころとなるものであり、また
    どの国でも究極の規範となるものです。
    いかなる時代、いかなる人にも、仏教の教えは尊ばれます。

    世の中には、生まれつきの悪人は滅多にいません。
    正しく教えれば、それに従うものです。

    仏教の教えによってこそ、世の中が正されるのです。“


お釈迦様がインドで生まれ、仏教を興してからから二千数百年。

この間に仏教は、アジア各国を中心に浸透し、わが国にも多くの「ブッダ」(上人)が生まれ、膨大な教義が集積されてきています。

しかしアジアを除く地域では、仏教の影響力はまだまだ弱く、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の「一神教三兄弟」が席巻、跋扈しています。
そして、中東を中心に相も変わらず血なまぐさい争いが繰り広げられています。

このあたりに関し、私の心の師である梅原猛先生は次のように述べておられます。強い共感を覚えます。


   “釈迦仏教のような、根底的に人を殺してはならないという思想は、
   なかなか、人類は受け入れがたいけどね、釈迦仏教の受け入れがたさが、
   逆に、人類には必要になってくる。
   そのくらい、人間の業を強く反省しないと、なかなか核戦争を防ぐ
   ことはできない。“
              (「仏の発見 五木寛之・梅原猛対話」より)


仏教をもっと世界へ! 世界中に『三宝』を! 『三宝』で世界平和を!

仏教が真の世界宗教になることを祈るや切です。


が、しかし、実は今最も『三宝』を必要としているのは、わが国ではないのか? 
全ての政治家・官僚は、改めて今、十七条憲法の精神を拳々服膺すべき、と強く感じる昨今です。


(尚、梅原先生の上記『根底的に人を殺してはならないという思想』につきましては、併せ以下をご参照頂ければと思います)

      Vol.16 “「不殺生戒」を今あらためて”

      Vol.183 “『不殺生戒』を今あらためて(その3)”
      ———これぞオバマ大統領の『道徳革命』、『道徳的目覚め』!

                           (完)

2018年11月09日

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