Vol.197『四法印』(しほういん)のこと——『四諦・八正道』と共に

[その他仏教関連]

『四法印』とは、仏教の最も基本的な次の四つの考え方・教えのことで、開祖であるお釈迦様(紀元前5〜6世紀インドの生まれ)の言葉に直接依拠するものです。


      (1)諸行無常  (しょぎょう むじょう)
      (2)諸法非我  (しょほう ひが)
      (3)一切皆苦  (いっさい かいく)
      (4)涅槃寂静  (ねはん じゃくじょう)

    

    (尚、上記のうち、(3)一切皆苦を除いた三つを『三法印』(さんぼう
     いん)と呼ぶこともあります)


パーリ語で書かれた仏教最古の一連の経典は、「原始仏典」と呼ばれていますが、その一つである『ダンマパダ』(法句経)は、お釈迦様の「語録集」とされているもので、全部で423の短い言葉が項目ごとに26の章に分かれて記されています。

そして以下が、上記『四法印』の(1)〜(3)について語られているお釈迦様直々の言葉です。


第20章 道

  277項 「一切の形成されたものは無常である」(諸行無常)と明らかな
       智慧をもって観るときに、ひとは苦しみから遠ざかり離れる。
       これこそ人が清らかになる道である。

  279項 「一切の事物は我ならざるものである」(諸法非我)と明らかな
       智慧をもって観るときに、ひとは苦しみから遠ざかり離れる。
       これこそ人が清らかになる道である。

  278項 「一切の形成されたものは苦しみである」(一切皆苦)と明らかな
       智慧をもって観るときに、ひとは苦しみから遠ざかり離れる。
       これこそ人が清らかになる道である。

          (中村元『ブッダの真理のことば、感興の言ことば』より。
              ——本書は大仏教学者(故)中村元先生が
                 パーリ語から直接和訳されたものです)


『四法印』四番目の、「涅槃寂静」とは、「諸行無常」・「諸法非我」・「一切皆苦」の三つの教えを完全に自分のものとした時、“ひとは苦しみから遠ざかり離れ、清らかになって”、静かな安らぎの境地である「涅槃」(ニルヴァーナ、悟りの世界)に達するという教えです。


(尚、上記279項「諸法非我」につきましては、
       Vol.186 “『アートマン』と『アナートマン』
               お釈迦様の教え『諸法非我』のことなど“
 に、
やや詳しく記させて頂いております。


また、『ダンマパダ』に関しては、
       Vol.160 “「十悪」のこと、「十善戒」、「五戒」のこと
               『ダンマパダ』をひも解きながら“
 も、併せ
ご参照頂ければと思います)


さてお釈迦様は、この『四法印』の教えを日常生活において具体的に実践する方法として、『四諦』(したい)ーー四つの真理ーーという考え方の下、次の八つを提唱されています。

正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定がそれで、『八正道』(はっしょうどう)と名付けられていますが、この辺り詳しくは、

        Vol.47 “この世の「四諦」”

をご覧頂きたいと思います。

『四法印』、『四諦』、『八正道』、、、、、いずれもたやすいものではありませんが、『涅槃寂静』の境地に向け、それらを常に念頭に置きながら日々少しずつ努力する、それが肝要と考えています。

                            (完)

2018年05月09日

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