Vol.191 『砂の王国』崩壊へ!                           ーー第2次安倍政権5年目の夏に思う

[その他政治・社会分野]

第2次安倍政権発足から早や4年半。 


この間に自民党総裁任期規定を自ら改定し、2021年夏まで通算8年半も現ポストに居続けることを可能にした安倍首相。

「改定憲法の下、東京オリンピック・パラリンピックを成功させ、歴史に残る大宰相として惜しまれつつ引退、、、、、」というシナリオを、つい先日まではご本人はもとより、自民党内でも、更には大方の国民も、十分現実的と思っていたところです。

しかし、『驕れる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし』(平家物語)


『いったいなぜこうなってしまったのか???』

恐らくご本人は、未だに事態を的確には理解出来ていないものと感じています。
悲しくもあり、哀れでもあります。


そんな安倍首相について、私はこの4年半、集団的自衛権問題・新安保法制問題を筆頭に、「幼児性」のこと、スピリチュアルなものなど、さまざまな思いを記して参りましたが、うち以下の二つは、日本漢字能力検定協会の「今年の漢字」になぞらえた『私が選んだ今年の漢字』です。


   Vol.149 “「今年の漢字」は『国』!
      ——第2次安倍内閣のこと、「ポスト近代国家」のこと、など“
 

   Vol.175 “「今年の漢字」は『逆』!
      ——第2次安倍政権、一年目は『国』、3年目は『逆』“

Vol.149は、安倍内閣初年度の2013年末に記したもの、Vol.175は、3年目の2015年末に記したものですが、Vol.149 『国』では、次のように書いたところです。


    “しかし実は、今年は単にその始まりに過ぎず、安倍内閣が続く限り、
    『国権』はますます強化され、わが国は『国家優先の国』に、
    そして再び『戦争をする普通の国』に舞い戻ってしまうこと必定です。“


    “翻って永田町。
    現在の野党に大きな期待が持てぬこと明白です。

    時計の針を逆転させる愚と訣別し、「ポスト近代国家」としての
    成熟度を高め、そのアジアへの伝播に長期的に取り組むべく、
    来年は、自民党内リベラル勢力が公明党を触媒として覚醒し、
    蹶起することを強く期待するものです。“


残念ながら私の上記期待は、翌年もそして翌々年も完全に裏切られ、自民党内では「安倍一強」の下、「リベラル勢力の覚醒・蹶起」どころか、皆ひたすら沈黙を決め込み、党伝統の「多様性」はすっかり消え失せてしまいました。

公明党もまた本来の良さを自ら封印し、触媒役など論外でした。


一方、安倍内閣の支持率は、2015年9月の新安保法制成立直後こそ40%前後に急落したものの、すぐ持ち直し、引き続き50%以上を維持していました。

そうしたなか、私の2015年の「漢字」は、逆戻り・逆方向・逆走、、、、、の『逆』でしたが、以下は、その結びです。

それは、国民世論に対する1年半前の私の率直な想い・問いかけと言えます。


    “国民の多くは『逆』を求めているのか?
    実は『逆』が好きなのか?  はたまた
    『逆』を『逆』と感じていないのか?

    等々と、いろいろ考えあぐねるこの年の瀬です。“


ところで、標題の『砂の王国』は、安倍首相と同郷の天才詩人、金子みすゞ(1903〜1930)の短詩です。

これは、Vol.166 “金子みすゞの短詩『大漁』および『砂の王国』ご紹介 ———今を生きる日本人へのメッセージ” のなかでご紹介したものですが、今から90年近く前に書かれた僅か5行のこの詩は、ここ数年の安倍首相を彷彿とさせます。


      “わたしはいま 砂のお国の王様です。
      お山と、谷と、野原と、川を、思う通りに変えてゆきます。
      おとぎばなしの王様だって、自分のお国のお山と川を、
      こんなに変えはしないでしょう。
      わたしはいま、ほんとにえらい王様です。“


『砂の王国』、、、、、それは均質な砂だけで作られた、実はひ弱な楼閣であり、ひとたび風向きが変わればたちどころに消え失せる、正に『春の夜の夢』のごときものです。


このまま進めば、安倍内閣5年目の「今年の漢字」は、『崩』または『壊』、あるいは『散』や『離』かなと思っているところです。

(因みに、安倍内閣についての私の直近のコメントは、先月記しました、
Vol.190 “新刊『現代に生きる稀代の高僧「明恵上人」』ご紹介” の中の以下の願いです。)


     “『驕れる安倍一強ネポティズム内閣』には、決して来年の
       自民党総裁選まで居座ることなく、一日も早い退陣を強く
      願うものです。“

                                 (完)
                              

2017年07月20日

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