Vol.177 両陛下、本当にありがとうございました                     ———フィリピン戦没者の一遺児より

[その他政治・社会分野]

天皇皇后両陛下は、5日間にわたるフィリピンへの友好親善と慰霊の旅を終え、先週土曜日1月30日無事帰国されました。

僭越ながら、本当にお疲れさまでございました。この場を通じ、心からなる感謝の気持ちを表明させて頂きます。


前にも記させて頂きましたが、私はフィリピン戦没者遺児の一人です。

恐らく全国には、私と同じ境遇の方が数十万〜百万人位おられる筈ですが、その方々やご遺族は、マニラ郊外カリラヤの「比島戦没者の碑」に深く拝礼され、心を込めて御霊を慰められる両陛下のお姿をテレビで見ながら、感慨まさにひとしおであったろうと想像しています。

カリラヤ慰霊に先立って、フィリピン戦没者が眠る「無名戦死の墓」を訪ねられたことも大変良かったと思っています。

2分近くも深々と頭を下げ黙祷をされる両陛下の全身からは、まごうこと無き赤心が滲み出ており、フィリピン側ご遺族も、深い共感を覚えられたこと間違いありません。

今回のご訪問を通じ、戦時下のフィリピンでは50万人もの日本人が命を落としていること、そして、その倍以上のフィリピン人が犠牲になっていることが繰り返し報道され、戦闘の大規模さ・悲惨さが、「戦争を知らない世代」にも十分伝わったものと思っています。


それやこれや本当に有意義な5日間であり、関係の方々のご尽力をも含め、心から厚く御礼申し上げる次第です。


      (尚、私の亡父のこと・フィリピンにおける戦闘のこと・
       戦争の「被害」と「加害」のこと等につきましては、
       昨年9月の安保法案参院採決の直前に記しました下記を
       ご覧頂ければと思います)

       文中、満州事変に言及された昨年年頭の天皇のお言葉にも
       触れさせて頂いております。

      Vol.171“『戦争をしない進んだ国』と『戦争をする普通の国』
           ——安保法案の参院強行採決を前に思うこと“


ともに、齢80を超えられている両陛下。

ともに、ご体調必ずしも万全ではないなか、昨年はパラオ・ペリリュー島へ、今年はフィリピンへと慰霊の旅を続けられている両陛下。


両陛下を駆り立てているものは、先の戦争が「忘れ去られる」ことへの強い危機感であり、それがもたらすわが国将来への深刻な懸念であろうと推察しています。


「国民統合の象徴」である両陛下が、上記危機感と懸念から解放され、心安らかに毎日をお過ごしになる、、、、、そういう環境を作り上げるのも政府の重要な務めの一つと考えます。

『危機感と懸念の元凶は、実は政府そのもの』なぞは論外です。


昨今霞ヶ関やメディアが、現政権の意向を『忖度』し過ぎるといった現象が散見されます。

しかし、今本当に『忖度』すべきは両陛下のご心中であり、決して現政権の意向ではないことを肝に銘じたいものです。

                             (完)

2016年02月05日

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