Vol.174 映画『袴田巌 夢の間の世の中』完成!                ———「わが国の今」を見つめ直す糸口としても、、、

[死刑制度関連]

     “重要な証拠が捜査機関によってねつ造された疑いがある”

     “これ以上拘置を続けることは堪え難いほど正義に反する“


死刑囚袴田巌さんについて、静岡地裁は昨年3月27日、上記主旨の下、再審の開始と即時釈放を決定、袴田さんは実に48年ぶりに拘禁を解かれました。
その時、齢78。

しかし、検察は即時抗告をし、それに対し東京高裁は今日に至るも再審の可否判断を出さない為、袴田さんは未だに、『釈放された死刑囚』という何とも異常で不条理な身分のままです。


そんな袴田さんの、釈放翌月から去る8月迄の1年半にわたる日常を、ありのまま丹念に撮影したドキュメンタリー映画がこのほど完成しました。

監督 金聖雄(きむ そんうん)さん、プロデユーサー 陣内直行さん、119分。

タイトルの『夢の間(ま)の世の中』は、袴田さんが獄中から知人に宛てた手紙のなかの言葉とのこと。

48年間も続いた恐怖と暗黒の悪夢、しかしそれは夢ではなく厳然たる事実。
想えば気が遠くなります。


私は、ささやかながらこの映画製作の支援者の一人ですが、はたしてどんな仕上がりになっているのか? 音楽担当の谷川賢作さんの響きも含め、期待を大きくふくらませています。


今月、来月は関係者向けの試写会が開かれ(支援者もそれにお招きを受けています)、一般公開は来年2月27日(土)からのミニシアター「ポレポレ東中野」を皮切りに、順次全国展開の予定です。

詳しくはこちらのサイト “『袴田巌 夢の間の世の中』” をご覧下さい。
そのサイトから全国共通の前売券も購入出来るようになっています。


さて、「死刑廃止」は間違いなく世界の潮流であるなか、わが国は安倍政権のこの3年の間に、急ピッチで全体主義・強権国家に逆戻りしていることもあって、「死刑廃止」はもはや永田町・霞ヶ関では殆ど話題にも上らなくなっているようです。

OECD34カ国中、国全体として死刑が存続しているのは、ひとりわが国のみという突出して異常な現実にも拘らず。


      (OECDでは他にもう1ヵ国、アメリカにもまだ死刑が残って
       いますが、「死刑廃止」は州毎に着実に進行中で、本日現在
       全米50州のうち19州で廃止済み。

       尚、以下に、アメリカの2012年中の死刑を巡る諸動向を
       記させて頂いております。
       2012年末時点では廃止州は17でした。)

     Vol.136 “日本と韓国、『死刑のある国』と『死刑を止めた国』
            ———死刑を巡るアメリカの最新動向と共に“


———異常を異常と感じ、不条理を不条理と受け止める感性を失ってしまった昨今のわが国。

———『憲法違反の恐れ』や『違憲状態』を、半ば平然と無視する政府・与党、そしてそれを許す多くの国民とメディア。

———“いったい日本はどこへ行こうとしているのか ?” とアジアを筆頭に世界中の心ある人々が不安の眼差しを向けているのに、その眼差しすら感じなくなっている私達。

『わが国は今、存亡の瀬戸際にある』と記しても、それ程の誇張とは思えません。


そういった状況の下、この映画『袴田巌 夢の間の世の中』が、———即ち、あるがままに映し出される袴田さん、そしてお姉さんの秀子さんの姿・存在そのものがーーー単に死刑制度を再考するきっかけとなるに止まらず、私達が広く「わが国の今」を見つめ直す貴重な糸口にもなることを大いに期待するものです。

是非ご覧頂きますようお奨め申し上げる次第です。
                             (完)

2015年12月09日

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