Vol.166 金子みすゞの短詩、『大漁』および『砂の王国』ご紹介               ———今を生きる日本人へのメッセージ

[その他スピリチュアル分野]

「どう見ても昨今のわが国はおかしい」という思いを益々強めています。


それは単に、たいした議論もなく「戦争をする普通の国」に戻らんとしていることのみに止まらず、国全体がいわば「単細胞思考」にーーあるいは実態として「思考停止状態」にーー陥っているように見えることです。

この点、前稿“「重無期刑」創設法案の今国会中の上程・成立を!” では、

     “国中に、「反教養主義」、「反知性主義」と呼べるような空気・風潮が
     急速に蔓延しつつあります“ と、

記したところです。


各界の賢者の方々がそのあたり、さまざまな視点・表現で問題提起をされ、警鐘を鳴らしておられますが、
私の「心の師」のお一人である宗教学者山折哲雄先生は、既に3年近く前、次の様に記しておられます。

先生の慧眼に改めて感服致します。


      “日本人の瞳孔が散乱しはじめている。
      腰が据わらず、呼吸がいつのまにか浅くなっている。
      外に向かう眼差しが揺れ続け、おのれの内部を凝視する眼光に
      力がこもらない。
      その上、近隣、遠国を含めて世界の変化が加速し、
      われわれ自身の足元が定まらない。“

    (『ニッポンの負けじ魂 「パクス・ヤポニカ」と「軸の時代」の思想』
     序章書き出し)


さてやや唐突ですが、ここで明治末期〜昭和初期を生きた天才詩人、金子みすゞ(1903〜1930)の『大漁』を下記致します。

わずか10行、50字足らずの短詩ですが、『瞳孔が散乱しはじめている』今の日本人への鋭い投げかけに聞こえます。


            大漁

          “朝焼小焼だ 
          大漁だ
          大羽鰮(おおばいわし)の 
          大漁だ。

          浜はまつりの 
          ようだけど  
          海のなかでは 
          何万の
          鰮のとむらい 
          するだろう。“

26才で服毒自殺を遂げたみすゞは山口県人ですが、以下の『砂の王国』の “わたし” は、不思議にも同県人安倍首相の今を彷彿とさせます。

天才のなせる技です。


             砂の王国

        “わたしはいま 砂のお国の王様です。

        お山と、谷と、野原と、川を、思う通りに変えてゆきます。

        おとぎばなしの王様だって 自分のお国のお山と川を、
        こんなに変えはしないでしょう。

        わたしはいま ほんとにえらい王様です。“


「砂の王国」、、、、、それは『足元が定まらない』、ひ弱な楼閣ではないでしょうか。

                              (完)

2015年04月07日

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