Vol.161 年内解散・総選挙は「専権」の濫用!                  ———安倍首相の「幼児性」再露呈に思うーーー

[その他政治・社会分野]

安倍首相が出張先の海外から自民党幹部に対し、「12月2日公示、14日投開票」を提示したことが明らかとなり、永田町は昨12日から解散・臨戦モード一色の模様です。

私は、昨年末の首相の唐突な靖国神社参拝に関し、“安倍首相の「幼児性」が端的に現れた不幸な事例” とこの場に記したところですが、今年の年末を控え、「幼児性」について再びいろいろ考えさせられます。


     (上記記述は、本年年頭にアップしました、
      
      Vol.150 “2014年、「甲午 四緑木星」の年を読む” の

      冒頭にあります)


たしかに代々、『解散は首相の専権事項』とされてきていますが、「専権」なればこそ、その行使には最大限の客観性・公平性が必要とされる訳で、『専権の濫用』は厳に戒められるべきものと言えます。

この時点での解散・総選挙が『専権の濫用』にあたることは、以下の昨日今日の各紙社説のタイトルからだけでも十分読み取れるところです。


   朝日   (12日)  解散に大義はあるか
   毎日   ( 〃 )  その発想はあざとい
   日経   (13日)  何を問う解散なのかを明確にせよ
   東京/中日( 〃 )  「安倍政治」こそ争点だ
   北海道  ( 〃 )  党利党略が見え見えだ
   沖縄タイムス( 〃 ) 何のため誰のために?


更に、首相のいわば応援団の一つとも言える産經新聞でさえ、13日の社説 “先送りなら時期の明示を アベノミクスの審判を仰げ” の結びとして次のように述べています。


    “再増税延期と解散総選挙を結びつけた判断には、与党内や経済界にも
    異論がある。首相自身が延期の判断理由や今後とるべき対策について、
    国内外に丁寧に説明することが極めて重要だ。

    「身を切る改革」である国会議員の定数削減は実現していない。
    何も約さず選挙に突入する無責任な対応も避けてほしい。“

安倍首相が帰国後、こういった厳しい批判を直接肌で感じ、考えを変える可能性も皆無とは言えませんが、現実問題としては、批判が首相の闘争心を一層煽る結果になるような気が致します。

正に、『泣く子と地頭には勝てぬ』といったところです。


さてしからば、この大義なき解散総選挙を意義あらしめる道はないのか?

私は、上記東京/中日新聞の社説、“「安倍政治」こそ争点だ” に一つの答えを見出すものです。

即ち、今回の総選挙の争点を、単に「消費増税先送りの是非」や、せいぜい少し広げて「アベノミクスの是非」に絞り込むのでは無く(あるいは、そう絞り込みたい政府与党の戦術に乗せられること無く)、
最大の争点を『2年間の安倍政治の総合評価』とし、幅広く奥深い論戦が国民の前でオープンに繰り広げられることを大いに期待するものです。

以下は、東京/中日の社説の一部ですが、強い共感を覚えます。


    “安倍氏が再び首相に就いてからの二年近く。国民の反対を切り捨てる
    形で進めた特定秘密保護法の成立強行や原発再稼働の推進、歴代内閣
    が積み重ねてきた憲法解釈を、一内閣の判断で変えた集団的自衛権の
    行使容認など、強権的な政治手法ばかりが思い浮かぶ。

    首相の歴史認識や靖国神社参拝が外交上の不安定要因となる一方で、
    「一票の格差」是正や、政府や国会の「身を切る改革」など処理
    すべき懸案は手付かずだ。

    解散の大義に正当性があるとはとても思えないが、解散が見送られ、
    国民軽視の「安倍政治」が続くことも、国民には不利益だ。“

もちろん野党の現状から考え、自民党が過半数を割ることはとても考えられず、焦点は、現有議席からどの程度減るかだけですが、しかしその結果によって、今後4年間の自公政権の基本的立ち位置が決まって来るだけに、ことは重大です。


私は、上記今年年頭のエントリーの結びとして、以下のように記しましたが、文中の『国民の意識と行動力』を具体的に示す機会が、安倍首相の専権により期せずして年末12月に訪れることになります。

「四緑木星」の『風』がどう吹くか、固唾を呑む思いです。


    “果たして諸々の問題・勢力が、ちゃんと「よろい」の中に納まって
    いるか? あるいは「よろい」から飛び出して逆らい始めるのか?

    それひとえに、「四緑木星」の『風』次第ということになりますが、
    私はこの局面における『風』とは、つまるところ私たち自身の『想い』
    であろうと考えています。

    国民の意識と行動力とが、今年ほど重要な年はないと感じている
    年明けです。“

                            (完)

2014年11月13日

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