Vol.156 集団的自衛権行使容認問題に思う(その5)             ———靖国の英霊は泣いている! 天皇のご心中は、、、、、

[その他政治・社会分野]

風雪に耐え、戦後69年の長きに亘り連綿と受け継がれてきたわが国安全保障政策の根幹が、限られた人々の違憲的手法によってあっけなくひっくり返されてから今日で丁度1週間。


各種世論調査によれば、国民の半数以上はその閣議決定を評価せず、また、決定に到る議論・プロセスを不十分、不適切と考えているのは国民の7〜8割にのぼっています。

立憲主義、政党政治は今や機能不全の状態と言え、憂慮に堪えません。


     (7月1日付け閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための
      切れ目のない安全保障法制の整備について」の全文はこちらです)

政府・与党は、『この集団的自衛権には十分な「歯止め」がかけられており、極めて限定的』と強調し、安倍首相は7月1日の記者会見のなかで以下のように述べましたが、国民は直感的にそれらを「まやかし」と受け止めていることが世論調査から読み取れます。

私は国民の直感の方が正しいと確信しています。


   ——“現行の憲法解釈の基本的考え方は、今回の閣議決定においても
     何ら変わることはありません。
     海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く
     変わりません。“

   ——“今回の閣議決定によって日本が戦争に巻き込まれるおそれは
     一層なくなっていく。そう考えています。
     日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じて
     あり得ない。いま一度そのことをはっきりと申し上げたいと
     思います。“

   ——“平和国家としての日本の歩みはこれからも決して変わることは
     ありません。むしろ、その歩みをさらに力強いものとする。
     そのための決断こそが今回の閣議決定であります。“


     (安倍首相記者会見の冒頭発言および質疑応答の
      全文はこちらです)


今回の閣議決定を最も深く悲しんでいるのは間違いなく靖国の英霊であると思っています。

英霊の、怒りを含んだ激しい慟哭が耳元で大きく響きます。『自分達の死を無駄にするのか、、、、、』と。


私は昨年8月にアップした、“「心だに誠の道にかなひなば 祈らずとても、、、」———安倍首相の靖国参拝問題に思う” のなかで、菅原道真の歌になぞらえ、

   『心だに誠の道にかなひなば 祈らずとても御霊(みたま)安らか』

と詠み、靖国の英霊にとっての「誠の道」とは「不戦の道」であると記したところですが、

その後、年末の安倍首相の意表を突く靖国参拝、そして今回の閣議決定と、英霊にとっては全く意に沿わぬ出来事が続いています。


慟哭もむべなるかなであり、御霊(みたま)が怨霊(おんりょう)——怨みをいだいて人々にたたりを及ぼす霊——に化すことが強く懸念されます。


今回の決定に深く深く心を悩ませておられる方が少なくとももうお一人おられます。 天皇陛下です。


私が「心の師」と仰ぐ哲学者の梅原猛先生は、昭和天皇や今上天皇との触れ合いを通じた実感として、

    “私は今の政治家より、天皇家の人々の方がよっぽどリベラルだと
    思っております“  

と述べておられますが(「日本の伝統とは何か」 —2007年の講演転載)、僭越ながら私も全く同じ思いです。


天皇は、政治的発言は一切控えるとのお立場の下、先月は対馬丸関係者等慰霊のため沖縄訪問、戦後70年の節目となる来年には、パラオなど太平洋諸島への慰霊訪問予定と、ご高齢をものともせず「無言の意思表示行動」をひたすら続けておられます。


そうしたなか、昨年末の安倍首相の突然の靖国参拝、、、、、それに続く今回の閣議決定、、、、、天皇のご心中はいかばかりかとただただ忖度申し上げる次第です。

閣議決定の当日、日本弁護士連合会(日弁連)は、この決定は、

   “立憲主義と恒久平和主義に反し違憲” であり、
   “強く抗議し、その撤回を求める”

との会長声明を発表しております。(声明全文はこちらです)

『閣議決定の撤回』は、現実問題としては容易ではありませんが、先ずは来週の衆参両院予算委員会において、「限定容認というまやかし」が白日の下にさされることを強く期待致します(その成否は、ひとえに野党の「質問力」次第ですが)。


そしてその後は、粘り強い世論の圧力と、目に見えない靖国の英霊パワーにより、関係法律改正審議等がずるずると先送りされ、『閣議決定の形骸化』が進んで行くことを切に願うものです。


     (尚、“集団的自衛権行使容認問題に思う” と題するシリーズの、
      これ迄のエントリーは以下です)

        その1: “「安保法制懇」という『有識者会議』に関して”
                             (4月2日)
        その2: “「行使容認(=「封印解除」)は時代に逆行!”
                             (4月20日)
        その3: “日弁連の新リーフレットご紹介” 
                             (5月1日)
        その4: “自民党『保守本流』は、今いずこ?!”
                             (6月7日)

                               (完)

2014年07月08日

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