Vol.134 「日・中・韓・北朝鮮」と「独・仏 そしてEU」(続)              ーーー鳩山元首相引退会見を受けて

[その他政治・社会分野]

先週水曜日11月21日の鳩山元首相引退会見(於 北海道苫小牧市)には、名状しがたい寂寥感を覚えました。

寂しさは、3年前に歴史的な政権交代を成し遂げた民主党の、何とも変わり果てた体たらくに対してであり、永田町からリベラルの大きな旗がまた一つ消え去ることに対してでもあります。


メディアではあまり伝えられていませんが、鳩山さんは冒頭発言で、

  “政界を引退するにあたって、二つだけ、後輩の政治家の皆さん、
  同志の皆さんに対してお願いしたいことがあります“

として、「沖縄の負担の軽減」と、特に東アジアを念頭に「平和外交の推進」について率直な思いを語られました。


YouTubeには冒頭発言の全録(約7分)がアップされていますので、是非ご覧頂きたいと思いますが、その二点について、私も全く同じ思いです。


     (尚、沖縄に対する私の思いの一端は、本年3月に記しました、

      Vol.122 “沖縄普天間問題、「辺野古固執」は歴史的愚挙!
           ——野田首相は現実を直視し、対米交渉開始を!!“

      をご参照頂ければと思います)


しかし問題は、そうした思いを的確に受け止め、少しでも前に進めてくれそうな政党・政治家が、昨今の我が国の総保守化・右傾化の風潮の下、明らかに力を失いつつあることと言えます。

総選挙公示日まであと1週間、投票日まで19日となりましたが、「リベラル総崩れ」を何とか食い止めるべく、まだ民主党に残っている方も含め、志ある人々の連携・再結集を強く願うものです。


さて鳩山さんと言えば、祖父譲りの「友愛」がよく知られていますが、祖父鳩山一郎氏の「友愛」の理念は、「EUの父」リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーから学び、受け継いだものです。


カレルギーにつきましては、直近のエントリーVol.133 “「日・中・韓・北朝鮮」と「独・仏 そしてEU」——EUのノーベル平和賞受賞を受けて” のなかで、生い立ちや「汎ヨーロッパ主義」(1923年刊行)について記させて頂きましたが、
彼はヒットラー政権誕生2年後の1935年、『全体主義国家 対 人間』を著し(独語)、そのなかで思想としての「友愛」を提唱しています。

(因に、鳩山一郎氏は、その英訳書 “Totalitarian State against Man” を自ら邦訳し1952年に出版、そのなかで『fraternity』を『友愛』と訳し、それが「友愛」の始まりです)

「友愛」と「汎ヨーロッパ主義」を唱えたカレルギーは、ヒットラーの厳しい弾圧を受け、第2次大戦中はアメリカに亡命を余儀なくされましたが、
「友愛」の日本における伝道者の孫が、同じく「友愛」と「東アジア共同体」を唱えてアメリカから疎まれ、首相の座を放逐されたというのも不思議な歴史の巡り合わせと言えます。


その「東アジア共同体」について鳩山さんは、前記冒頭発言のなかで次の様に述べておられます。

  “東アジア共同体という構想は決して絵空事ではありません。それは
  遠い夢かもしれませんが、しかし実現可能な夢だと私は信じています。
  今後は、一民間人として、この夢の実現に向けて、微力ながら努力を
  重ねて参りたいと思っています。“


そしてその後の質疑のなかで、(仮称)「友愛東アジア平和研究所」を設立し、東京・北海道・沖縄に居を構える構想を明らかにされました。

鳩山さんが、カレルギーの有名な言葉、『すべての偉大な歴史的事実は、ユートピアとして始まり、現実として終わった』を心の拠り所に、夢の実現に向け、「第三の人生」、創造的なチャレンジを続けられることを大いに期待するものです。

                            (完)

2012年11月27日

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