Vol.126 東日本大震災に思う(その11)                ———「全日本仏教会」前・新会長の発言・挨拶ご紹介

[その他仏教関連]

やや旧聞ですが、わが国の伝統仏教界唯一の連合体である「全日本仏教会(「全仏」)」は昨年12月1日、『原子力発電によらない生き方を求めて』と題する宣言文を発表しています。


しかし、それは「全仏」のそれまでの活動範疇を超える声明でしたので、「異例の宣言文」としてメディアでも大きな話題となりました。

私もまた、Vol.121“日本仏教界、【3・11】を契機に覚醒!” と題するエントリーのなかで、「覚醒」と感じる具体例の一つとしてその宣言文を取り上げ、これは「全仏」会長、臨済宗妙心寺派河野太通管長のリーダーシップによるものであろうと記させて頂いたところです。

その河野太通会長の、『“いのち”を犠牲にする発電はやめよう』と題するインタビュー記事がニコニコニュースにアップされていますので、ご紹介させて頂きます。


そのなかで河野会長は、今回の宣言文発表の経緯・背景等を率直に語られている他、「こころの豊かさ」、「いのちの大切さ」等について、また仏教の六波羅蜜の一つである「忍辱(にんにく)」についても触れておられます。


6ページに亘るインタビュー全文はこちらです。ご一読をお薦め致します。


     (尚、「忍辱(にんにく)」に関しましては、

   Vol.79“この世は「忍耐(にんにく)」——民主党鳩山代表誕生に思う”

      も併せご参照頂ければと思います。 残念ながら、政権交代・
      鳩山首相には期待を裏切られましたが、、、)


さて、上記Vol.121のなかにも記しましたように、「全仏」の会長任期は2年で、この4月からは河野太通会長に替わり天台宗半田孝淳座主が新会長に就任されています。


そこで以下に、「第三十期会長就任にあたって」と題する半田新会長のご挨拶を転載させて頂きます。主題は東日本大震災です。


半田新会長には、河野前会長の志を受け継ぎ、それを更に高めて頂くことを大いに期待するものです。

    “この度、全日本仏教会第三十期会長に就任させていただくこととなり、
    身の引き締まる思いでおります。

    さて、日本は昨年三月に、国難とも申すべき東日本大震災に見舞われ
    ました。

    文明がいかに発達しようと「諸行無常」は避けることができないと
    いうことを改めて感じます。
    しかし、そうであればこそ、残された方々は、なおさら命を
    いとおしんで生きることに大きな意味があります。

    今後、理不尽に家族や友人を奪われ、住み慣れた土地を追われ、
    仕事を失った人々の心をいかに癒すかが、私ども宗教者の使命と
    なることでしょう。

    又、一方で、原子力発電所の放射能漏洩事故で、周辺の住民の
    方々は、住居や仕事を放棄せざるを得なくなり、長期にわたる
    避難生活を余儀なくされておられます。

    利便性の美名の基に自然の理を無視し、豊かさのみを追求してきた
    人間の欲望や傲慢さに強い疑念を覚えます。

    さらに、今日の我が国には、世界経済の悪化と構造不況により
    明日が見通せない閉塞感が満ちております。

    このような状況を変革するためには仏教の慈悲心、利他の心を
    日本人が取り戻すことが必要であります。

    よりよい日本、世界平和の実現に向けて、各ご教団のご協力と
    ご支援をお願い申し上げる次第でございます。“


(尚、上記河野前会長のインタビュー記事は4月27日付けで、半田新会長の就任挨拶は5月1日付けで、いずれも「全仏」のサイトにアップされたものです)

                           (完)

2012年05月08日

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