Vol.108 東日本大震災に思う(その3) ——原発事故に関連しての二つの声明文ご紹介
福島原発事故に関連し、先週、東京財団と日本弁護士連合会(日弁連)から、それぞれ貴重な声明が発せられていますので、お気づきでない場合に備え、以下にご紹介申し上げます。
私は、そのいずれにも強い共感を覚えます。
(1) 先ず、東京財団からは4月20日付けで “復興か創造か —これからの文明—” と題する極めて鳥瞰的な論考が発表されました。
これは、宇宙物理学者で、「人間圏」の提唱者である松井孝典先生(東京財団特別上席研究員)を中心にまとめられたものの由です。
(因みに「人間圏」とは、人類が約1万年前、農耕牧畜を
始めたことによって作られたもので、それ以前の
狩猟採集時代、人類は生物圏のいわゆる食物連鎖に
連なって生きていたのに引きかえ、農耕を始めたこと
によって地球のモノやエネルギーの流れが一変したこと
に着目)
文中の、
“地域主権は、「権限の委譲」ではなく、「創造」を起点とする
ことで具体性と実現性が高まる“
との指摘には目から鱗の思いですし、結びの
“そもそも、政治とは政治家だけのものではない。
国を創るのは国民自身である。
我々自身が「これからの文明」を選択していくのだ“
という呼びかけは心に重く響きます。
全文はこちらです。
http://www.tkfd.or.jp/topics/detail.php?id=268
(2) 一方、日弁連からは4月22日付けで、“東日本大震災後の日本の温暖化対策に関する会長声明“ が発せられました。
これは、原発事故を理由に、温室効果ガス排出に関する京都議定書の適用除外や、2020年までの25%削減目標の見直しを求める声が政府・与党内等で上がっていることを憂慮し、懸案の「地球温暖化対策基本法」の早期制定を強く求めるものです。
全文はこちらです。
http://www.nichibenren.or.jp/ja/opinion/statement/110422.html
特に「3.11」以降、我が国政府に対する信頼が国際的に大きく失墜している折柄、この問題で更に信用を失うことがないよう、政府の賢明なる対応を切望するものです。
尚、ご参考までに、今回の大震災に関する私のこれまでの思い二つは以下です。
3月21日 “東北関東大震災を機縁に、「新文明」の模索を!”
4月17日 “「脱原発」を決断し、「電力多消費文明」との訣別を!
——東日本大震災に思う(その2)“
(完)
2011年04月26日
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