Vol.102 暑・迷・失・空・軽・溶、、、「今年の漢字」アラカルト

[その他政治・社会分野]

早いもので「今年の漢字」のシーズンになりました。


日本漢字能力検定協会の集計第一位は、「暑」でしたが、それを機にいろいろな方々が、ご自分なりの一字を選ばれています。

以下は「今年の漢字」アラカルトです。

  
  「迷」—— 全国95大学1,000人以上の学生へのアンケート
        選ばれたのがこれでした。 深く考えさせられます。
 
        尚、「迷」は、みんなの党渡辺喜美代表も選ばれています。
           

  「失」—— 鳩山由紀夫前首相の一字です。
        『政治に対する信頼の再喪失』を挙げておられます。

        去年、当時首相であった鳩山さんが選ばれたのは
        「絆」でした。

        世の中から絆もどんどん失われつつあることも間違い
        ないところですが、その責任が政治にもあることは自明
        です。

  「空」—— 社民党福島瑞穂党首です。 
        「むなしい」との思いには共感を覚えます。

  「軽」—— 新党改革舛添要一代表が選んだ漢字です。
        たしかに、世の中の全てが軽くなってきている印象は
        拭えないところです。

        舛添代表は自戒の念を込めて選ばれたと思いたいところ
        です。

  「溶」—— 国民新党亀井静香代表は、溶解の「溶」を挙げられました。
       『国も政権も溶け出している、、、』、言い得て妙です。


ところで、自民党谷垣総裁は、『今年は見送らせていただきます』という回答を寄せられたそうです。

野党第一党の党首の答えとしては何とも不甲斐なく、『自民党しっかりしろ!』と言いたくなりますが、あるいはそれをもお見通しなのかもしれません。


一方、菅首相は「行」、仙谷官房長官は「拓」でした。

首相いわく『「行」は修行の行、実行の行』、官房長官いわく『未来を開く、国を開く』とのことですが、それらはいずれもご自身の夢であり、客観的に一年を振り返れば、残念ながら「不行」・「不拓」の年であったと断ぜざるを得ません。

ご両者には是非来年は「行」・「拓」の年になるよう、私心無く謙虚に愚直に職務に励まれるよう要望したいと思います。


さて、私の今年の漢字は「漂」です。

「漂(ただよ)う」・「漂流」・「漂泊」の「漂」です。


上記亀井代表に倣えば、『国も政権も漂っている』という思いを禁じ得ません。
しかるが故に、「迷」、「失」、「空」、「軽」、「溶」などといった漢字が選ばれたということと考えています。


『漂失』という言葉があります。

水に流され漂っているうちになくなってしまうことを意味しますが、私たちは今、漂失の危機に瀕していると思われます。


そして私は、この際思い起こすべきは、『溺れる者は藁をも掴む』という先人の教えであると考えています。

漂流の不安定さ、苦しさ、怖さから逃げ出すことだけに目を奪われていますと、つい本来全く頼りにならないものにも惹かれたり、頼ったりしてしまい、それこそ間違い無く漂失してしまいます。


国も政権も溶け出し漂っている今こそ、腹を据えて流れを俯瞰し、楽しみながら漂う(「漂楽」——私の造語ですがー)ぐらいのしたたかさを持つことが肝要と思っているところです。

                           (完)

2010年12月12日

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