Vol.100 8月中の五つの出来事に思う ーカテゴリー五つを取りまとめ

[中東関連]

2004年1月1日付けの、Vol.1 “この世に偶然なし” (カテゴリー「この世シリーズ」)から始めました、カテゴリー九つからなる私の思いも、今回で丁度100番目となりました。


そこで今回は、戦後65年目の、観測史上最も暑かったこの8月中に起きた五つの出来事について、私の思いと政府・与党への要望等を、取りまとめて記させて頂きます。

(1) カテゴリー「臓器移植法関連」 
       ・家族承諾のみの脳死臓器摘出・移植 8月中に4件!
   

  去る7月17日より施行の「改正臓器移植法」の下、8月中に合計4件
  の『書面による意思表示が無く、家族承諾のみの臓器摘出・移植』が
  行われました(9月に入って今日までに更に2件、累計6件)。

  しかし、臓器移植ネットワークの記者会見を聞く限り、その透明性・
  信頼性には大きな疑問を抱かざるを得ません。


  もちろん当事者・関係者のプライバシーには最大限の配慮をすべき
  ことは当然ですが、プライバシーを隠れ蓑に、もの事が密室で、
  異例のペースで進んで行く事態には空恐ろしさを覚え、いずれ
  かつての「和田移植」事件に類する大不祥事が起きるのではないかと
  心底危惧しています。

  就いては、事後の不測のトラブルに備える為にも、書面による意思
  表示が無い場合には、『家族と医師・移植コーディネーター等との
  話し合いの全面可視化(一部始終の録画)』を義務づけるべきと考え
  ます。

  政治主導による早急な対応を強く要望致します。

    

  一方、自分の意思を書面に残しておくことの重要性はますます高まって
  きていると言えます。

  特に、脳死段階での臓器摘出には抵抗がある、拒否したいという方に
  とっては、その書面化は文字通り死活問題です。

  Vol.88 “改正臓器触法に対する「日本宗教連盟」の声明文
              ならびに【ノン・ドナーカード】のご紹介“

  を参照頂き、早速行動を取られることを強くお奨め致します。


(2) カテゴリー「その他生命倫理関連」  
           ・野田聖子衆議院議員 他人の卵子で妊娠!


  8月下旬、週刊誌上で自ら明らかにされた野田聖子衆議院議員の妊娠
  には驚かされました。

  不妊に悩む彼女は以前、事実婚の鶴保庸介参議院議員との体外受精卵
  で妊娠されたものの、不幸にして流産されましたが、今回は、新しい
  事実婚の相手と、提供された他人の卵子との体外受精卵をアメリカで
  自らに移植して妊娠し、来年2月出産予定とのことです。


  彼女は誌上で、しきりに【多様な価値観の許容】を訴えておられます
  が、それは飽くまで【自然の摂理に背かない範囲】に限られるべきと
  私は頑なに考えており、こういう妊娠にはとても賛成出来ません。


  わが国では上記を含むいわゆる生殖補助医療がここ数年たびたび
  大きな社会問題になっているにも拘わらず、それをカバーする法律
  は未整備のまま放置されて来ています。

  今回の野田さんの挑戦が大きな契機となって、生殖補助医療に係わる
  基本法制定の動きが国会で早急に具体化することを切望するものです。
     

       (尚、法律で禁止すべき生殖補助医療についての私案は、
        2005年10月に記しました、

        Vol.22 “「死後生殖」に法の網を!!
        ——「生殖補助医療」に関する早期法整備を望む“

        の後半に記させて頂いております。

        因みに、今回の野田さんのケースは、禁止対象の
        医療です)

       
(3) カテゴリー「死刑制度関連」
           ・刑場公開、勉強会 ともに8月中に実現!


  報道陣への刑場の公開と、死刑のあり方について検討するための法務省
  内の勉強会の立ち上げという、千葉景子法務大臣の指示が8月中に
  いずれも実現しました。 

  併せて、民主党内にも「死刑制度に関する検討ワーキンググループ」が
  設置されました。

  それら一連の動きを先ずは歓迎したいと思います。


     (大臣指示に関しては、Vol.99 “民主党政権初の
      死刑執行に思う” 
をご参照頂きたいと思います)

    
  裁判員裁判で死刑が求刑されそうな事案は、もう目の前に迫っています。
     
  政治の強いリーダーシップの下、死刑の存廃を含む死刑制度全般に
  ついての国民的議論がいよいよ本格的に盛り上がってくることを
  大いに期待をするものです。


(4) カテゴリー「その他政治・社会分野」 
   ・広島平和記念式典に国連事務総長および米英仏代表初参加!


  8月6日の、「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式
  (平和記念式典)」は、戦後65年目にして初めて、国連事務総長や、
  米・英・仏の代表が参列するという画期的なものとなりました。

  核廃絶の機運が、国際的にも着実に高まってきていることを肌で感じ
  ますが、ここに至るまでの広島市長はじめ関係の方々のご尽力に深甚
  なる敬意と称賛を表したいと思います。

        
  この流れを更に加速させるためにも、「核兵器なき世界」の提唱者で
  あるオバマ大統領には、APECで11月に来日時、是非広島に足を
  運んで頂き広島から全世界に向け新たなる演説・メッセージを発信
  して欲しいと願っています。


  一方、【核兵器廃絶の先頭に立つ】旨の決意を明確にしているわが国
  政府には、目先のさざ波に目を奪われて大きな潮流に鈍感になること
  無きよう的確な時代認識の下、『有言実行』を強く望みたいと思います。


      (尚、オバマ大統領のプラハ演説や、「平和市長会議」の
       ことなどにつきましては、

       Vol.86 “オバマ大統領へのノーベル平和賞授与に思う
                    ——ノルウェーのことなど“
 
  
       もご参照頂ければと思います)


(5) カテゴリー「中東関連」  
      ・オバマ大統領 イラクでの戦闘任務終了を宣言!


  オバマ大統領は8月31日夜、イラクでの戦闘行為の終了を宣言
  しました。


  イラク戦争につきましては、私はこれまでこの場に、下記の二つの
  思いを記させて頂いたこともあり、大統領宣言には感慨一入のもの
  があります。


       2006年11月 Vol.33 “イラクの現状に思う”

       2008年 3月 Vol.56 “イラク戦争満5年に思う
                 ——「憎しみ」と「怨み」の滅却を”


  7年半に及ぶ戦争、イラク人死者十数万人、米兵死者4,400人、
  戦費はアフガンと合わせると1兆ドル、、暗澹たる思いに囚われますが
  しかし、民主党大統領に代わって良かったと、改めてつくづく思う次第
  です(もっともオバマ大統領のアフガン戦略には失望していますが)
      
     

  さてこれを契機に、わが国として(遅ればせながら)絶対やらねば
  ならぬことは、7年半前の小泉首相のイラク戦争支持決断の検証で
  あると考えています。

  外務省あるいは自民党・公明党がそれを嫌がるのは、ある意味では
  当然とも言えますが、政権交代後1年も経っているのに、この件に関し
  未だに何も動きがないのは、新政権の怠慢以外の何ものでも無いと
  考えます。
    

  将来再び同じあやまちが起きぬよう、これこそ官邸主導で、当時の
  マスコミ論調や識者と呼ばれる人々の発言内容なども含め、緻密で
  徹底的な検証と評価、総括を要請したいと思います。

                             (完)

2010年09月05日

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