Vol.93 生殖補助医療に係わる法整備に関して ーーー東京財団の研究報告書ご紹介
停滞する生殖補助医療の論議を進めるために
—代理懐胎は許されるかー
と題する研究報告書が、先月東京財団より発出されました。
この報告書は、
“日本ではこの数年、代理懐胎を中心とした生殖補助医療に
ついて、具体的なケースが繰り返し社会問題となり、
政府審議会の答申も相次ぎながら、必要な立法などの政策を
実現するための論議は停滞している。
そこで本報告書は、あらためてこれまでの経緯と問題点を
まとめ、取り組まなければならない課題を明らかにすること
で、生殖補助医療を巡る公的規範の確立に向けた社会の論議
を促進することを目指したい。“ (「はじめに」)
との趣旨の下、わが国における生殖補助医療の経緯・現状・問題点などと共に、フランスと韓国の事例も詳しく紹介されています。
その上で、代理懐胎(代理出産)に関して、
——禁止する立法を行う
——容認する立法を行う
——何もしない(現状維持)
の三つの選択肢それぞれのメリット・デメリットが幅広く客観的に提示されており、この問題を冷静に考えるための最適な資料と考えます。
私は、カテゴリー【その他生命倫理関係】のなかで、“生殖補助医療の早期法整備を望む” と題する思いを4度にわたり記させて頂いておりますが、事態がいっこうに進展しないなか、本報告書を強力な突破口として、国会の内外で論議が本格的に動き出すことを大いに期待するものです。
尚、この問題に関し、「民主党政策集INDEX2009」には、“子ども・男女共同参画” 分野中の、『生殖補助医療に係わる法整備』の項に次のように記されています。
“代理出産など生殖補助医療のあり方が社会的な問題となって
いますが、日本には生殖補助医療に関する法律が存在せず、
日本産科婦人科学会の自主規制に頼っているのが現状です。
生殖補助医療に関する基本法制定も視野に入れ、取り組みを
進めていきます。”
(後略)
政権交代の熱気と混乱も次第に収まるなか、新政権には手つかずの政策課題実現に向け、腰を据えた取り組み開始を期待致しますが、個人的には、この問題と、やはりINDEX2009に盛り込まれている『終身刑の検討』の二つの課題への一日も早い着手を特に要望するものです。
(尚、終身刑の検討に関しましては、
Vol.85 “千葉景子法務大臣に期待、
先ずは「終身刑」の創設を!“
をご参照頂ければと思います)
(完)
2010年03月02日
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