Vol.90 「忍辱(にんにく)の人」鳩山首相にエールを送る!

[その他政治・社会分野]

【新】が「今年の漢字」に選ばれた2009年も、程なく幕を閉じようとしています。

この年は50年以上続いた自民党政権に対し、国民が選挙を通じ“ No ! “ をつきつけた画期的な年でした。
実に140年ぶりの出来事と言えます。


今を去る百四十数年前、薩長などの下級武士のイニシアチブの下、人々は250年以上続いた徳川政権に対し、流血混じりで “ No ! “ をつきつけ、【明治維新】を成し遂げました。


明治維新により、

   ———それ迄の「三百諸侯体制」は、『中央集権体制』に変わり、

   ———「文明開化」を合い言葉に、国を挙げて大胆に『西洋文明』を
      取り入れ、

   ———「神仏分離令」の下、天皇を現人神とする『国家神道』が創成
      されました。

「近代日本」の誕生です。


近代日本はしかし、明治維新から80年足らずで、敗戦という壊滅的結末を迎えました。

上記『中央集権体制』、『西洋文明』、『国家神道』という組み合わせが、壊滅をもたらした元凶であることは間違いのないところです。


     (明治維新の、わが国宗教史上における私なりの位置づけに
      つきましては、Vol.29 “『宗教心溢れる時代』に向けて”
      ご参照頂きたいと思います)

さて私は、この2009年を【平成維新】元年と名付けたいと思います。


そして、これからの数十年間に、後世の史家が次のように記述してくれるような展開が生まれることを夢見ています。


———平成維新は、2009年の総選挙を通じた無血の政権交代によって
   始まった。

———新政権は、紆余曲折・試行錯誤を繰り返しながら、また気短かな国民
   の批判もバネに、次第次第に

    ——『中央集権体制』を、『地方主権体制』に変え、

    ——人々は、明治維新以来の『西洋覇道文化』志向から、
      『東洋王道文化』志向に回帰し始め、

    ——『日本仏教』が息を吹き返し、人々の心に『慈悲の心』が
      戻ってくると共に、日本仏教が世界に伝播を始めた  と。


        (—『覇道文化』、『王道文化』に関しましては、Vol.20
           "『覇道』か『王道』か———孫文からの
         問いかけ”
をご参照頂きたいと思います。

         —私は、『日本仏教』を、古来からの「八百万の神々」
          と、6世紀に伝来した「仏教」とが融合したものと
          定義づけていますが、この点、詳しくは、Vol.25
          “神も仏も、山も川も ———今こそ『日本仏教』の
          再評価を“ 
をお読み頂きたいと思います。

        —『慈悲の心』につきましては、Vol.61 “『慈悲の心』
          の復元を“ 
もご参照頂ければと思います)


ところで私は本年5月、民主党代表に鳩山由紀夫さんが就任されたことを受け、この場に、 “この世は「忍辱(にんにく)」 ——民主党鳩山代表誕生に思う” を記させて頂きましたが、そのなかで彼を「忍辱(にんにく)の人」と評しました。


「忍辱」は仏教の言葉で、苦しみ・悲しみ・試練・誹謗中傷などを「柔和に堪え忍ぶ」、「慈しみの心を秘めて我慢する」という意味ですが、首相就任後100日の今、改めてその思いを強めています。

例えば普天間問題では、私は鳩山首相が国内外、党内外からの圧力・批判にさらされながらも、年内には辺野古移転を決めなかったことを高く評価しています。

『やはり辺野古』と決断することはしごくたやすく、またそれにより、米・日の「軍産複合体」に繋がる人々や、いまだに冷戦時代の思考に留まっている人々(含む 大手メディア)などには、安堵の念を与えたでありましょう。

しかし、仮に決断をしたとしても、地元の反対にあって結局は新基地の建設は出来ず、より大きな混乱と相互不信を招くだけに終ることは明白と考えられます。

「忍辱の人」鳩山首相の面目躍如と感じています。


願わくば鳩山首相が、引き続き明年以降も、“煮え切らない”、 “指導力不足” 、“小鳩内閣” などといった浅薄な批判にも柔和に耐えて、明治維新の残滓と自民党政権の負の遺産を根気よく一つずつ取り除きながら、少なくとも数十年先まではしっかりと視野に入れつつ、しなやかに、しかし、したたかに、国益と地球益を追求していって欲しいと思っています。

この時期のアメリカ大統領が、鳩山首相以上の「忍辱の人」とも言えるオバマ氏であることは正に天佑でありましょう。

両雄が肝胆相照らし、「核兵器無き世界」、「戦争も気候変動も無い地球」の実現に向け、半歩でも一歩でも前進させることを切望するや切ですが、
恐らくはこの局面における最大のポイントは、両国民に十分な「忍辱の心」が備わっているかどうかであると考えています。

                           (完)

2009年12月23日

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