Vol.88 改正臓器移植法に対する「日本宗教連盟」の声明文            ならびに【ノン・ドナーカード】のご紹介 

[臓器移植法関連]

臓器移植法の改正案(いわゆるA案)が、先の通常国会で駆け込み的に成立してから3ヶ月半が経過しました。

目下は来年7月の施行(一部規定は来年1月施行)に向け、運用細目の作成作業が進行中です。

そんななか、「日本宗教連盟」(日宗連)は先月13日、『改正臓器移植法に対する懸念と今後の姿勢』と題する以下の声明文を発出致しました。
私も全く同じ思いです。

       (尚、「日本宗教連盟」は、わが国宗教界のいわば最上部
        組織であり、次の5団体の協賛による財団法人です)

              教派神道連合会
              全日本仏教会
              日本キリスト教連合会
              神社本庁
              新日本宗教団体連合会


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改正臓器移植法に対する懸念と今後の姿勢

 日本宗教連盟は、平成21年7月13日に成立した改正臓器移植法に対して、宗教者の立場から強い懸念を表明します。

 脳死を前提とした臓器移植は、国民の生と死に深くかかわる問題であり、誰かの「死」がなければ成り立たない特殊な医療です。
また、国民一人ひとりが「死」とどのように向き合っていくのか、臓器を提供したドナー家族へのケアのあり方など、解決されるべき多くの問題を抱えています。

 本連盟は、今般の法改正にあたり、「脳死は人の死ではない」との立場から、「本人の書面による意思表示の確認」、「小児に対する厳格な脳死判定基準の導入」、「被虐待児を対象としない」など、ドナーとレシピエント双方の「いのちの尊厳」が侵害されることがないよう、国会での慎重な審議を訴えました。

 しかし、改正臓器移植法が、医療関係者のみならず、法曹界、宗教界などから多くの問題点を指摘されていながら、国会審議において解決策が十分に検討されることなく成立したことは、将来にわたり日本人の死生観に禍根を残すものと言わざるをえません。

 日本宗教連盟は、これらの諸問題が今後、法律の運用指針作成において、慎重に検討されていくことを強く望む次第です。
日本宗教連盟は、臓器移植法のみならず、国民の生と死にかかわる諸問題に対して、生命尊重の精神をよりいっそう喚起していくことを決意するものであります。

平成21年10月13日
財団法人  日本宗教連盟
理事長   岡 野 聖 法

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上記声明にもありますように、改正案の国会審議、特に参議院における審議・採決は極めて粗雑・無定見でしたが、私は、そのこともあって時の与党(自民・公明
両党)には、その後天誅が下されたものと考えています。

       (尚、上記国会審議の概況に付きましては、去る7月20
        付けVol.82 “「再考の府」の再興を望む! —「臓器
        移植法改正案」成立に思う“ 

        ご参照頂ければ幸甚です)


しかしともあれ、来年の7月からは、『自分は臓器を提供しません』という意思を、誰にでも直ぐ分かるように明確に示していない限り、家族の同意だけで臓器が摘出されてしまう時代に入ります。

     (因みに現行法では、『自分は臓器を提供します』という意思を
      書面で表明している場合に限り、家族の同意を経て脳死判定・
      臓器摘出に進むようになっています)


なんとも乱暴で空恐ろしい時代と言えますが、それだけに、『脳死による臓器提供はしない』というお考えの方は、ご自分のその意思を誰にでもすぐわかるような形で残しておく必要があります。

意思が不明ですと、ご本人の意に反し臓器が摘出されることにもなりますし、また万一交通事故で脳死状態に陥った場合には、ご家族は大変なショックの真っただなかで臓器提供の諾否を迫られるという、二重のショック・苦しみに直面されることになります)

         (尚、交通事故に絡んでは、「全国交通事故
          遺族の会」
の皆様方は、ご自分たちの貴重な体験に
          基づき「脳死・臓器移植法改正」に強く反対をされて
          来ています。

          なぜ反対なのか? 

          詳しくは同会サイトの関連ページをご一読頂きたいと
          思います)

      
さてそれでは、『臓器提供はしない』という意思はどのような形で表明しておけば良いのでしょうか?


一つの方法としては、厚生労働省・(社)日本臓器移植ネットワークが発行する【臓器提供意思表示カード】(いわゆる【ドナーカード】)を利用する道があります。

しかし、このカードは本来、『臓器を提供したい人』を対象とするカードですから、『提供しない人』がこれを持っていますと、思わぬ混乱・誤解を招きかねません。


従って私は、【ノン・ドナーカード】——「脳死」は人の死ではありません。「脳死状態」による臓器提供は致しませんーーを、肌身離さず持ち歩いています。
このカードであれば混乱も誤解も絶対に起きないからです。


このカードは、上記教派神道連合会のメンバーである「宗教法人大本(おほもと)」の「人類愛善会・生命倫理問題対策会議」が発行しているカードで、申し込めばどなたでも、もちろん無料で入手出来ます。

詳しくは大本サイトの関連ページをご覧頂きたいと思いますが、そのページから【ノン・ドナーカード】を申し込むことも出来るようになっています。

上述のように、「脳死臓器移植」は、わが国でも来年半ばから全く新しい段階に入ります。

しかし私は引き続き、“「脳死」は「人の死」ではありません!!” と強く訴え続けていこうと思っています。
                           (完)

2009年11月01日

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