Vol.83 総選挙公示日に思う

[その他政治・社会分野]

今日8月18日、第45回衆議院選挙が公示されました。 投票日8月30日。

世論調査等を見る限り、ほぼ間違いなく「政権交代」が実現する見込みであり、
私は強い期待に胸を大きくふくらませています。

そこで以下、3点に絞って公示の日の思いを記させて頂きます。


(1) 民主党の圧倒的大勝を、逆に危惧


   一部予測では、民主党は300議席を大きく上回り、自民党は
    100議席割れと騒がれています。

   個人的には、それ程の大差はつかず、民主党が単独過半数を取れ
   ない事態も十分あり得ると思っていますが、1993年のカナダ
   総選挙の如く、極端に振れるのが小選挙区制の特徴であり、
   民主党が地滑り的大勝利をおさめる可能性も捨て切れません。

   しかし万一そんな事態になれば、稀代のロマンチストである小沢
   一郎さんが『これは自分が理想とする二大政党制とは違う!』
   として、再び党を割り政界再編を仕掛けることが危惧されます。

   さすれば政治がまた混乱し、有権者の信頼を失うこと必定です。

   「対立軸が明確で、力量拮抗する二大政党制」が一つの理想で
   あることには私も同感ですが(但し、下記ご参照)、今回は
   史上初めて「有権者が選択をした政権」ですから、結果如何に
   拘わらず今後4年間は、選挙時点の枠組みは基本的に維持される
   べきと考えます。

   小沢さんには、仮に民主党が圧勝した場合でも、決して短気を
   起こさず、国を思うご自身のロマンを当面是非封印頂きたいと
   願うものです。


         (尚、私は「二大政党制」は決して永遠の理想では
          無く、近未来には「無政党制」に移行すべきと
          考えています。
          この点、丁度1年前のこの場に記しました、“国会から
          政党を無くし、議員を全員無所属に!  ——政治の
          中長期的活性化に向け、「無政党制民主主義」の
          導入検討を望む“ 
をご参照下さい)

(2)新政権に性急・過大な期待は禁物!

   
   もし「政権交代」が実現すれば、世の中が一挙に良くなると考える
   のは幻想に過ぎません。
  
   明治維新以降140年以上も続いてきた「中央集権型統治システ
   ム」や、政界・官界・関係業界の強固なトライアングル・
   しがらみ構造は、たとえ「政権交代」が実現しても、
   一朝一夕に変えられるような代物では無いと考えられます。
   
   逆に「政権交代」によって、目先は混乱や不都合が種々生じ、
   試行錯誤も繰り返されると想像します。

   この際私たちは、新政権に対し決して短兵急に成果を求めること
   なく、4年のスパンでものごとを考え、忍耐強く温かくサポート
   して行くべきと考えています。

   故ケネディ大統領の呼びかけに倣えば、

       “新政権が私たちに対し何が出来るかを問うのではなく、
       私たちが新政権に対し何が出来るかを問うべき“

   と思っています。

   一方、野党になるであろう自民・公明両党には、低次元の新政権
   批判や、 短時日での政権(再)交代を画策するのでは無く、
   4年後の復権を目指し、じっくり力を蓄えることを強く要望したいと
   思います。


(3) 新首相は、「核兵器なき世界」の実現に向け先頭に立って発信・
   行動を!


   「核兵器なき世界」を目指すとしたオバマ大統領の去る4月の
    プラハ演説は本当に感動的です。
   『アメリカは変わる!』、『世界も変わる!』という夢と希望を
    世界中に与えるものでした。

   「世界潮流」は明らかに大きく変わらんとしています。

   この点、この期に及んでも「核の傘」の次元を超えようとしない
   麻生首相の発言(8月6日 於広島)には、情けなさを通り越し
   憤りすら覚えます。

   また、今回の自民党のマニフェストには「核廃絶」に向けての具体
   案が何も盛り込まれていないのも、自民党がいかに「世界潮流」に
   鈍感になっているかの証左と言えます。

   自民党政権の退場は、その一事だけをとっても至極当然に思えます。


          尚、上記オバマ演説の全文は、ホワイトハウスの
          サイト内の、the BRIEFING ROOM に掲載されて
          いますが、以下はその一部です(邦訳は筆者による)

           “私は今日ここに、アメリカは核兵器なき世界の
           平和と安全を追求する決意であることを、
           信念を持って明言します。
   
           ただ私は、それほど世間知らずではありません。
           短時日のうちにその目標が達成出来るとは思って
           いません。
           恐らく、私の生きているうちには無理だと思い
           ます。

           目標達成のためには忍耐力と粘り強さが必要です。
           『どうせ世界は変わらない、、、』という声には
           一切取り合わず『やれば出来る!Yes, we can ! 』
           と主張し続けなければなりません。

               (中略)

           『武器を取って立ち上がろう!』という呼びかけ
           は、『武器を捨てよう』という呼びかけよりも
           人の魂を揺さぶります。

           だからこそ私たちは、世界中一体となって、平和と
           発展を求める声を上げ続けなければならないので
           す“


   さて、民主党鳩山代表は永年「友愛」を唱え続けておられますが、
   「友愛精神」とは私流に言えば「慈悲の心」であると思っています。

   そしてそれは、オバマ大統領の基本理念と緊密に通底するものと
   考えています。

   世界で唯一の核被爆国の新首相が、世界で唯一核兵器を使った国の
   大統領と肝胆相照らし、強固な信頼関係の上に立って、「核兵器なき
   世界」の実現に向け敢然と立ち上がることを心から切望するもの
   です。

   “Together, we can change the world. Yes, we can!”


             (尚、「慈悲の心」に関しましては、昨年7月の
              ”「慈悲の心」の復元を!” を
             ご参照頂きたいと思います)

                               (完)

2009年08月18日

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