Vol.76 リーダーの7つの条件

[その他政治・社会分野]

バラク・オバマという、世界中が期待と希望の眼差しで見つめるリーダーがアメリカに誕生してもうすぐ3ヶ月、、、、、畏敬する梅原猛先生の次の言葉が頭をよぎります。

   
     『時代閉塞の状況を破ろうとする歴史は、しばしばその理念が
     肉体に具現した英雄を生み出す』

                (「自然と人生 思うままに」より)

さて、梅原先生は上記書のなかで、「リーダーの7つの条件」として以下を列挙されています。極めて含蓄に富むリーダー論です。

   1. 孤独に耐えられること。

   2,時代の理念がその人に乗り移っていること。

   3. 冷徹な理性。  『肉体化した理性をカンというのであろう。
               カンの鈍い人はリーダーの条件に欠けて
              いる』

   4. 修羅場に強いこと。

   5. 怨霊を作らない、あるいは怨霊の鎮魂が巧みであること。

       ——怨霊には敵の怨霊と味方の怨霊の二種類があり、
         鎮魂は、そのタイミングが大切とのことです。
       ——私は、織田信長を日本史上希有のリーダーと捉えて
         いますが、残念ながら彼はこの条件に欠けていた
         ことになります。

   6. いち早く組織の危険を予知し、それに備える嗅覚をもっている
     こと。


   7. 私にこだわらないこと。  『自利利他の菩薩行』

アメリカのみならずわが国もまた、「時代閉塞の状況」にあること明白ですが、不幸なことに、このところ「リーダー不在」の状態が続いています。

閉塞を突き破れるリーダー、時代の理念が肉体に具現しているリーダーの出現が待たれるところですが、さてしからば、この時点のわが国にとって、「時代の理念」とは一体何なのでしょうか?

私はそれに対する一つの重大なヒントを、鈴木大拙の次のような歴史認識のなかに見出すものです。

    “第1次及び第2次の世界戦争は、何れも科学技術の発展と
    自然征服の観念と人間生活の非霊性化とに起因するものです。
    そしてこれらの条件は、戦争の終結によりて少しも消滅してゐない
    のです。
    或る角度から視ると、それらは却って悪化してゐるのです。“

                 (「日本の霊性化」第7講より)

加えて、鈴木大拙と同時代人である、“マハトマ・ガンディーの警告”や、“孫文からの問いかけ”も、「時代の理念」に間違いなく符号するものと考えていますが、それらに関しましては以下をご参照頂きたいと思います。

   Vol.67 “「7つの社会的大罪(Seven Social Sins)」
                    ———マハトマ・ガンディーの警告“  

   Vol.20 “「覇道」か「王道」か  ———孫文からの問いかけ”

大拙・ガンディー・孫文という、いわば「東洋近代の三巨星」に通底する思想・哲学・理念、、、、、それらが乗り移っているような人物が、遠からずわが国のリーダーとなる日を夢見るものです。

                               (完)

2009年04月05日

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