Vol.73 「さっぽろ駆け込み寺」について  ーー札幌版「年越し派遣村」誕生!

[その他仏教関連]

私は先月、“年の初めに、日本仏教界の覚醒を願う!” と題する年頭の思いをこの場にアップ致しました。

その主旨は、

—「日本仏教」は、明治維新以降今日まで閉息を余儀なくされてきており、
  その結果、宗派組織も僧侶個人も、生身の人間とはなかなか向き
  合おうとしなくなっている。

—例えば、「お寺」が日比谷公園の「年越し派遣村」のようなことを
 行っているという話しは聞いたことがないし、一方、私たちの方も、
 『この問題を「お寺」に相談してみよう』とは思わなくなってきている。

—しかし今や時代が「日本仏教」の再興を求めている。

—日本仏教界は、政治・経済を含むもろもろの社会問題と正面から堂々と
 向き合い、発信し、行動して欲しい。

というものでした。


私のそんな切なる願いが、どうもお釈迦様に届いたようです。
それが標題の「さっぽろ駆け込み寺」です。

以下は北海道新聞の1月27日夕刊記事です。
(因みに私は、1年半ほど前から札幌に住んでいます)

      ————————————————

再就職「駆け込み寺」 連合と本願寺札幌別院、失業者支援へ

 企業が契約を更新しない「雇い止め」などで失業し、再就職を希望する派遣労働者らを支援するため、連合北海道と札幌市中央区北三西一九の本願寺札幌別院は二月十四日、同別院を臨時宿舎として無償提供する「さっぽろ駆け込み寺」を開設する。雇用不安が社会問題化する中、道内求人の約四割が集中する同市に住まいを設けることで、地方出身者やUターン希望者の再就職を後押ししたい考えだ。

 連合北海道は、昨年末に苫小牧市や本州の自動車産業での失業者などを対象に労働相談を実施。住所不定だと再就職が難しい一方、仕事が決まらないと住宅も借りにくいというジレンマに多くの求職者が陥っていることが分かった。

 就職活動が長期化すれば「ネットカフェ難民」やホームレスになる懸念もあるため、宿舎開設を検討。生活困窮者らを受け入れてきた歴史がある寺院に着目し、札幌別院に協力を打診したところ、趣旨に賛同した同別院が快諾した。

 入居対象は道民または道内出身の独身か単身の失業者で、札幌圏で働く意思があり、就職活動をしていることが条件。定員は二十人程度で、年齢、性別、宗教などは問わない。札幌別院の広間で寝泊まりし、食事は各自で調達する。入浴や洗濯は周辺の公衆浴場などを利用し、就職が決まった段階で退去する。

 開設期間は四月末までで、連合北海道が二月二日から申し込みを受け付ける。貸布団代や光熱費は連合が組合員のカンパで負担する。入居者への求人情報の提供や内定獲得に向けた相談も行い、退去時には就職先に近い公営住宅や雇用促進住宅への転居も支援する。近く組織内で開設を正式決定し、三十日に札幌別院と協定を結ぶ。

 連合北海道は「民間版セーフティーネットづくりの先例としたい」とし、今後、全道各地での開設も視野に他の寺院にも協力を求めていく考え。札幌別院責任者の藤井純恵(じゅんえ)輪番は「困っている人たちのお役に立ちたいと考えた」と話している。問い合わせは連合北海道(電)011・210・0050へ。

        ———————————————

受付は既に始まっており、2月14日には先ず数名の方が入居される由ですが、この3月末には多くの派遣労働者が契約切れを迎えるだけに、「さっぽろ駆け込み寺」が真価を一段と発揮するものと思っています。


本件は、『お寺はこんなこともするんですよ!』という貴重なメッセージを社会に発信した点でも極めて有意義と思いますし、また「お寺」と「連合」という組み合わせも楽しみです。


『この問題をお寺に相談してみよう』と思いつかれた連合北海道の浅田さん、浅田さんの熱い思いを快く受け入れられた本願寺札幌別院の藤井輪番のお二人に、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。


顧みますと日本仏教界は、はるか飛鳥時代から悲田院、施薬院など貧しい人や病人を救済する施設を持っていましたし、「元祖駆け込み寺」である鎌倉の東慶寺などの「縁切り寺」は、離縁を望む妻を暖かく保護し調停も行っていました。

「お寺」は本来、困っている人、苦しんでいる人に対し、分け隔てなくやさしい救いの手を差しのべる存在でした。


『お寺にお願いしてみよう』、『あの和尚さんに相談してみよう』、『お寺へ行けば何とかなる』、、、、、人々が再びそう思い始めるような時代ーーそれは私流の区分では、日本歴史の第五期、「豊かで便利でかつ宗教心溢れる時代」ということになりますがーーそんな時代が一日も早く来ることを切に願うものです。

(上記の日本歴史区分に関しましては、Vol.29”『宗教心溢れる時代』に向けて” にやや詳しく記させて頂いております)


   尚、これは全くの余談ですが、実は私はかって「駆け込み寺」に
     直接係わっていました。
     もっともそれは仏教のお寺では無く、「広報駆け込み寺」という
     NPO法人です。
     Vol.14 “NPO法人「広報駆け込み寺」について”をご参照
     頂ければと思います。
                             (完)

2009年02月11日

≪ Vol.72 自衛隊法に基づく海自のソマリア沖派遣は脱法行為! ———派遣は新法成立まで待つべし。 | TOP PAGE | Vol.74 池田晶子さんの三回忌に思う ≫