Vol.72 自衛隊法に基づく海自のソマリア沖派遣は脱法行為! ———派遣は新法成立まで待つべし。

[その他政治・社会分野]

政府は本1月28日、麻生首相及び関係閣僚による安全保障会議を開き、ソマリア沖の海賊対策として、自衛隊法82条(「海上における警備行動」)に基づき海上自衛隊を現地に派遣することを承認、これを受け浜田防衛大臣が海自に対し派遣準備を指示しました。
浜田大臣いわく、これは『新法整備までの当面の応急措置』とのことですが、常軌を逸した措置と断ぜざるを得ません。

たしかに、自衛隊法82条には地理的概念が明記されていませんが、警備行動は海上保安庁になり代わって行うものであり、「警備の対象は日本周辺海域」というのが法の趣旨ですし、また国民のコンセンサスです。
82条を根拠に、自衛隊をはるかソマリア沖にまで派遣するのは、明らかに「脱法行為」と言えます。

もちろんソマリア沖の海賊行為は、世界が緊急に対処すべき重要課題であり、国連安保理は、昨年6月全会一致で決議1816を採択し関係各国が必要な措置を取ることを要請・承認しています。
わが国はこの決議の共同提案国でもあり、国連の要請に的確に応える必要があることは論を待ちません。

しかし、だからと言って、また、たとえ『当面の応急措置』であったとしても、法治国家である以上、内閣が法の趣旨を勝手に変えて良いということには全くなりません。

そもそも安保理決議1816が採択されたのは半年以上も前のことです。
それに対しこれまで何らアクションを取らず、ここへ来て大慌てで泥縄的に対応している麻生内閣の姿勢は理解に苦しみます。

私は、一昨年9月の、Vol.45 “再びテロ特措法延長問題に関してーーーオープンで冷静な国会論議に期待する”のなかで、

  『軍隊(自衛隊)を海外に派遣するもろもろの潜在的リスクに対し、
   我々は鈍感になっているような気がしています。
   この際改めて、考え方の基本を憲法に置くべきであることを
   リマインドさせて頂きたいと思います。』

と記しましたが、その思いを一段と強めています。

自衛隊の海外派遣が「なし崩し的」にどんどん拡大して行ってしまうことを大いに危惧するものです。

ソマリア沖への派遣を定める「海賊対策特措法」の成立までは、海自の派遣を行わないことを断固要求すると共に、一方で、ソマリア和平への支援など、海賊根絶に向けての本質的協力や、周辺国の警備能力向上に向けてのソフト・ハード両面での協力など、海自派遣以外の面での国際貢献を精力的に検討・実行することを強く求めたいと思います。

                              (完)

2009年01月28日

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