Vol.63 国会から政党を無くし、議員を全員無所属に! ——政治の中長期的活性化に向け、「無政党制民主主義」の導入検討を望む

[その他政治・社会分野]

政治の閉塞状況が続いています。

今回程度の内閣改造では有権者の心を捉えることはとても無理、ということがはっきりしました。
一日も早く総選挙を行い、民主党中心の「政権交代」を実現すべきという声が一段と強まりつつあります。

私も全く同意見です。


一方で私は、「政権交代」に相当程度の意義は認めるものの、現制度下の「政権交代」では(仮に数年後に再び自民党中心政権への交代がなされることがあったとしても)、政治を真に活性化させるのは無理ではないかと考え始めています。

政治を蘇生し効率性を一段と高めるためには、国会から政党を無くし、議員を全員無所属にする、即ち、「無政党制議会制民主主義」を導入することが、ここ1〜2世紀の間では最有効と思っています。


私がそのように考える理由は主として次の二点です。

(1) ITの急速な発達により、ビジネスの世界では、役割を果たさない
  「媒体」はどんどん淘汰されてきていますが、政治の世界でも、
  「媒体」を出来るだけ排除することが効率化・活性化に直結すると
   考えられること。

 ——ITの更なる進化と、有権者の意識の向上・深化により、私は、政
 治は2〜3世紀のうちには、古代ギリシャのような『直接民主制』に
 移行すると考えていますが、その第一歩として、「議員」と「政党」 
 といういわば「二つの媒体」、「二重代議制」の解消は歴史の必然と考
 えています。


(2) 上記ITの進化とも相俟って、国民の価値観の多様化・液状化が
   益々進むなか、有権者に「どれか一つの党」を選ばせる、あるいは
  「政権党か野党か」という選択を迫るのは、もはや無理と考えられる
   こと。

 ——我が国では先年来、いわゆる「無党派層」が国民のほぼ半分を占
 めているという事実がそのことを如実に物語っていると思っています。
 この点二大政党制が定着している米国・英国とは大きく異なりますが、 
 私はそれを、国民性の違いと見ています。

 ——また、このところ超党派の研究会や議員連盟が、さまざまな組み
 合わせで多数立ち上がっています。
 私はそれは、議員の価値観もまた多様化・液状化してきており、議員
 ももはや「政党」という枠組みでは収まらなくなっている証左と捉え
 ています。


 
  
ところで、2005年9月のいわゆる郵政総選挙に対し、「一票の格差および政党・非政党の格差」を憲法違反とする『選挙無効訴訟』が提起されました。

本件、最高裁は2007年6月13日に、上告を棄却しましたが(但し、裁判官3名は反対意見を表明)、その判決文のなかで、「政党」に関し次のように述べています(判決文の9ページ目ご参照)


  “憲法は、政党について規定するところがないが、その存在を当然に
   予定しているものであり、政党は、議会制民主主義を支える不可欠の
   要素であって、国民の政治意志を形成する最も有力な媒体であるから、、、
   、、、、“

私は、最高裁のこの断定は、先入観に囚われ過ぎた極めて独善的なものと考えています。


 —「政党」は、本当に『議会制民主主義を支える不可欠の要素』
  でしょうか?

 —「政党」は、本当に『国民の政治意志を形成する最も有力な媒体』
  でしょうか?

 —今や「政党」は、議員を無用に拘束する存在となり始めているのでは
  ないでしょうか?

 —また「政党」は、時に有権者と議員とを離反させる要因にもなって
  いるのではないでしょうか?

 —欧米で生まれた「政党制民主主義」について、私たちはそろそろ
  抜本的に柔軟に考え直す時期に来ているのではないでしょうか?


さて、「無政党制」下の国政選挙は、


(1) 衆参とも比例区の意味がなくなるので、選挙区のみとなり、衆議院も
   参議院同様の中選挙区に戻ることになる。

(2) 候補者は、統一フォームによる詳細な「個人マニフェスト」を公表
   し、有権者はそれに基づき判断することになる。


 また、国会における首相選出選挙も、立候補者による詳細なマニフェス
 トに基づくものとし、選ばれた首相は、各議員の「個人マニフェスト」
 を基に、大臣・副大臣等を自由に選出することになる。


 これにより国会にはもはや与党・野党という構図・概念は無くなり、
 政策決定等は、「政党」の思惑・打算などが全く無い環境で、
 各委員会・国会において議員の自由意志によりなされることになる。


我が国が近代化し、議会制民主主義を導入してから百数十年、現下の停滞・混迷を脱し、来るべき数百年の繁栄を期すためには、「中央集権システム」から「地方主権システム」への転換など、国の形や政治の仕組みを、先入観や西洋諸国の先例に囚われず革命的に変えることが不可欠と信じています。

その一環として、「政党の無い新しい議会制民主主義」を、我が国が西欧各国に先がけて志向することもまた有意義と考えています。


そしてそれに向けての第一歩として、先ずは、上記『選挙無効訴訟』で提起された「政党・非政党の格差」の解消(公職選挙法の改定)を、願わくば次回総選挙までに実現して欲しいと願うものです。

                             以上

2008年08月12日

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