Vol.62 「生殖補助医療」に関する早期法整備を望む(その4)ーー内閣府・厚生労働省の怠慢・無責任を糾弾するーー

[その他生命倫理関連]

「生殖補助医療」に関し、私はこの場で過去3回、先進各国に較べ我が国の法整備が遅れていることについて問題提起をし、つど首相官邸はじめ関係各省に直接アッピールもして参りました。


以下がこれまでの内容です。

(1) Vol.22「死後生殖」に法の網を!! 〜「生殖補助医療」に関する
早期法整備を望む 
       (2005年10月1日)

(2) Vol.30「生殖補助医療」に関する早期法整備を望む(その2)〜向井亜紀・高田延彦ご夫妻の「代理出産」に係わる東京高裁決定を受けて〜
                (2006年10月2日)

(3) Vol.31 「生殖補助医療」に関する早期法整備を望む(その3)〜今「政
治の決意」が問われている 
   (2006年10月26日)

    
さて本件、その後世論が一段と高まったこともあって、政府は2006年11月30日、時の長勢法務大臣・柳澤厚生労働大臣の連名で、日本学術会議金澤会長に対し、『生殖補助医療をめぐる諸問題に関する審議の依頼』(注ー1)を行いました。


学術会議はこれを受け、14名の各界の専門家による『検討委員会』(注ー2)を設置し、当初予定よりは少し遅れ、去る2008年4月8日、『代理懐胎を中心とする生殖補助医療の課題—社会的合意に向けてー』(注ー3)を対外発表し、4月16日付けで両大臣あてに『生殖補助医療をめぐる諸問題に関する提言』(注ー4)と題する回答を提出致しました。

(注ー1/2/3/4の全文は、PDF形式で学術会議HPに掲載)


爾来3ヶ月が経過しましたが、この提言に対する政府の反応は全く伝えられておりません。
また、向井亜紀さん・根津医師のことに関しては、殆ど熱狂的に取り上げた各メディアも、この提言の内容や、それを受けての政府の方針などは殆ど報道をしておりません。


そういう状況下、私は、1ヶ月前、厚生労働省あてに、『学術会議提言受領後の政府内の検討・作業経緯及び現状、並びに今後の対処方針・ 予定などにつき回答をお願いしたい』とするメールを送りましたが(先方受領確認済み)、本日に至るまで全くの梨の礫です。


結局のところ、政府は、私が上記(3)に記しましたように、本件を真っ向から取り上げる「決意」も「勇気」も無く、単に先送りをしたかっただけと断ぜざるを得ません。
残念ながらメディアもまた、2年半前は本件をこぞって社説で取り上げ、早期法整備を要望していたにも拘わらず、その後はすっかり関心を無くしています。


しかし一方で、この2年半の間に法律無きままに生命を受けた子供達が沢山いると想像されます。

子供達が、法の未整備によって社会的不利益を受けるようなことは、絶対にあってはならないと考えます。

「脳死臓器移植問題」を始めとして、「命」に係わる分野・問題は、国民一人一人の価値観が極めて多岐にわたり相反することも多く、その立法化は極めて難しいことは論を待ちません(カテゴリー「臓器移植法関連」ご参照)

しかし、だからと言って政治がひたすら傍観を決め込むことは許されませんし、先進各国ではほぼ完全に法整備がなされていることを想起すれば、我が国政府が如何に怠慢・無責任であるか明白です。


我が国が、一刻も早くこの分野での『立法化後進国』から脱却することを政府・与党に改めて強く求めたいと思います。

もしこの問題に関し、政府・与党が「リスクを取る決意」が無いとすれば、残る道は、この点からも、「政権交代」しか無いと考えています。
                             以上
                          

2008年07月25日

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