Vol.54 この世の「三毒」

[「この世」シリーズ]

「三毒(さんどく)」とは、古くからの仏教の言葉で、人間の【煩悩】を構成する「三つの毒」のことです。

『貪(とん)』、『瞋(しん)』、『痴(ち)』が、その三つです。


お釈迦様は、人間は【煩悩】があるから日々苦しむ、従って【煩悩】を滅すれば、心が平安になって、「涅槃の境地(ニルヴァーナ)」に到達出来ると説かれ、その為の行動指針として「八正道」を示されています。(Vol.47“この世の「四諦」”をご参照下さい)

そして、その【煩悩】は、次の「三つの毒」から成り立っていると喝破されました。


    ・貪 (または「貪欲(とんよく)」  欲望に執着する毒。

      地位・名誉・お金・性愛・物などをひたすら貪り求め、
      それらに執着すること。

    ・瞋 (または「瞋恚(しんい)」)   怒りと怨みと嫉妬の毒。

      不愉快なことに出会ったり、欲望が妨げられたり、
       欲しいものを他人が持っていたりする時に湧く感情。

    ・痴 (または「愚痴(ぐち)」)    無知の毒。

      正しい道理を知らぬが故に、視野が狭くなり、愚かで、
      自己中心的な考え方に陥ってしまうこと。


結局のところ、お釈迦様は、


   “我欲を捨て、怒り・怨み・嫉妬の感情を抑え、ひたすら道理を勉強
   すれば、【煩悩】は滅せられ、ニルヴァーナ(心の安穏・涅槃の境地)
   に到る“


と教えておられる訳ですが、それは、凡夫には絶望的に難しいことです。

が、しかし、初めから諦めてしまえば何も変わりません。


中国道教の開祖である老子は、「千里の行も足下に始まる——遠い旅路も足下の一歩を踏み出すことから始まるーー」と言っています。

ニルヴァーナに向けての修行は、遠く厳しいものでしょうが、一歩づつ前に進めたいものです。
                        (完)
 

2008年02月01日

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