Vol.52『無財の七施(しちせ)』ーーー誰にでも出来る「布施(ふせ)」のすすめ

[その他仏教関連]

「布施」とは、仏教の「六波羅蜜」(ろくはらみつー悟りに到るための六つの実践課題・修行)の最初のもので、見返りを求めず、ひたすらほどこしをすることです(残る五つは下記注ご参照)


「布施」には、いろいろな種類がありますが、「雑宝蔵経」という経典のなかに、『無財の七施(財力が無くても出来る七種の布施)』が示されています。

    “仏説きたもうに、七種の施しあり
     それによらば、財物を損せずして、大いなる果報を得む“ 

とあります(中村元「仏典のことば」より)


確かにそれらは、お金や地位・力などが無くても、心がけ次第で誰にでも出来ると言えます。
以下がその「七種の施し」です。

  (1)眼施(がんせ)
    
     常にやさしい眼差しで人を見る、決して険しい目で見ない

  (2) 和顔悦色施(わがんえつじきせ)

     常になごやかな顔つきをする、決してしかめつらをしない

  (3) 言辞施(ごんじせ)

     常におだやかな言葉で話す、決して粗暴な言葉を使わない

  (4) 身施(しんせ)

     自分の身体を使って奉仕をする

  (5)心施(しんせ)

     常に相手の立場に立ち、思いやりの心をもって人と接する

  (6) 床座施(しょうざせ)

     人に席を譲る、順番を譲る

  (7) 房舎施(ぼうしゃせ)

     寝る所を求めている人には自宅を提供する


物質的には驚くほど豊かであるものの、人の心は荒み、社会全体が刺々しくなってしまっている今の世の中、それを少しでも変えるには、『無財の七施』は極めて有効と思われます。
心豊かなやさしい社会の再興に向け、出来ることから少しづつ、、、、、、、、。

                                (完)

 (注)六波羅蜜 ・布施——施しをする

         ・持戒(じかい)——戒めを守る

          (仏教の「五戒」に関しては、
           Vol.16 ”「不殺生戒」を今あらためて“ ご参照)
 
         ・忍辱(にんにく)——辱め・苦難・悲しみに耐える

         ・ 精進(しょうじん)——努力をする

          (「八正道」の正精進。「八正道」に関しては、
            “Vol.47 この世の「四諦」” ご参照)

         ・禅定(ぜんじょう)——精神を集中し心を静める

          (「八正道」の正定)

         ・智慧——真理を学び正しい判断をする


2007年12月23日

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