Vol.45 再び、テロ特措法延長問題に関してーーーオープンで冷静な国会論議に期待する

[その他政治・社会分野]

8月24日付けのこの場に ”テロ特措法延長問題に思うーー事実関係の整理と対応私案ーーと題する私見を掲載させて頂きましたが、いよいよ明日から臨時国会が開会します。

この問題は、シドニーにおける今日の安倍首相の発言、『自衛隊の補給活動の継続に職を賭す』『職責にしがみつくことはない』との発言により一挙に政局直結となり、国会は冒頭から極めて緊迫したものとなること必定です。


国会が緊迫することそのものは必ずしも悪いとは思いませんが、「緊迫」は得てして情緒的議論や論理の飛躍をもたらすものであり、冷静な思考・議論が吹き飛んでしまうことを大いに危惧致します。

そういう思いの下、以下に(上記の私見と基本的には重なる内容ですが)改めてこの問題の本質を2点に絞って記させて頂きます。


(1)ことは軍隊(自衛隊)の海外派遣であること

    ”9.11の同時多発テロで24人の日本人の尊い命が奪われた。
    このことを忘れてはならない。テロとの戦いに今、国際社会が
    連携して取り組んでいる。そのなかで国際貢献を果たしていく
    ことは、私の「主張する外交」の根幹の一つだ。”


これは昨日の安倍首相の発言ですが、これに対し異論を挟む人は世の中に一人も居ないと考えます。私も全く同感です。

しかし、その発言とそれに続く発言、

    ”従って、何としても自衛隊の補給活動を継続しなければならない” 

との間には、明らかに大きな論理の飛躍があります。

    
「テロとの戦い」「国際貢献」であれば、『専守防衛の自衛隊』『集団的自衛権は行使出来ない』という憲法規定・解釈を無視しても、自衛隊を海外に派遣することが許されるのでしょうか? 明確に否です。
(例外は、それが安保理決議によって要請された場合ですが、その場合は「武力行使」に繋がりかねない行動には参加しないことを絶対条件にして、安保理決議に従うべきこと、これまで同様と考えます)

どうも昨今、軍隊(自衛隊)を海外に派遣するもろもろの潜在的リスクに対し、我々は鈍感になっているような気がしてなりません。
この際改めて、考え方の基本を憲法を置くべきであることをリマインドさせて頂きたいと思います。

(2)「テロとの戦い」は武力によっては解決しないこと

これは、前項我が国固有の問題以前の、より本質的な問題です。
    

武力によってテロを根絶することが不可能であることは、今や歴史的に証明された事実であり、「ブッシュのアメリカ」など極く一部を除き、国際社会のコンセンサスとなっています。


そういう状況下、我が国がいつまでもアメリカ主導の軍事作戦(「不朽の自由作戦(OEF)」ーーー因みにこの軍事作戦は安保理の承認を得ずに開始されたものーーー)に協力することは、上記のように我が国の憲法規定上、大いに疑義があることに加え、今や国際世論にも逆行する行動であることを的確に認識する必要があると考えます。

先の参院選で有権者から明確な NO!  を突きつけられた安倍首相から、この時点で『職責にしがみつくことはない』という発言が出ることは何とも不思議・不可解な思いですが、この問題に対しもしそれだけの決意があれば、ここは思い切って解散・総選挙に踏み切るべきでありましょう。

参院選後の、この「国際公約」の続行には、「国民の総意」の再確認が不可欠と考えるためです。

明日からの国会において、この問題が国民の目の前でオープンに冷静にそして徹底的に議論されることを大いに期待致します。(完)


    

    
    
    
    

2007年09月09日

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