参院選後の「本質的政界再編」を切望する

[石井和希]

天下分け目の参院選まであと旬日となった。

各種調査によれば参院における与党の過半数割れは間違いなさそうであるが、問題は「選挙後」である。
民意により参院で与野党逆転という結果が出た暁には、一本釣りを始めとする「数合わせ」的な小手先対応・妥協によって、与党がすぐ過半数を取り戻すようなことは絶対にあってはならぬし、有権者はそれを容認すべきで無い。

筆者は、与党参院過半数割れを契機に今度こそわが国でも、対立軸が明確となるような「本質的政界再編」が行われ、いつでも政権交代可能な「真の二大政党制(含 二大政党グループ制)」が実現することを大いに期待するものである。

政局・政界再編となれば、国政は少なからず停滞し混乱するやもしれぬ。しかし長期的に望ましい政治体制を作り上げるためには、目先の若干の不利益は覚悟すべきであろう。短期的マイナスを恐れ長期的プラスに着手せぬ愚はもうそろそろ改めるべきである。

与党過半数割れ後のシナリオとして、安倍退陣・新首相誕生、遠からず新首相の下での解散・総選挙が考えられるが、筆者は「今のままの枠組み」(自公 対 野党)で総選挙を行うことは無駄であり、断固避けるべきと考える。
次回総選挙は、「対立軸」が国民にはっきり分かる形での政界再編が終わってから行う方がはるかに有効である。

ではその場合の「対立軸」は何か?

筆者は、『「新自由主義」(市場・民営化万能主義、徹底的に小さな政府を追求)か、あるいはそれとは一線を画す「第三の道」(ユーロ社民主義)か』を基本的な対立軸とするのが最も解りやすいと考える。

現在の自民党と民主党を見渡した場合、「新自由主義信奉者」は民主党にも少なからずいるし、逆に「ユーロ社民主義シンパ」は自民党内にもかなりいる。これでは国民には、自民党も民主党も大同小異と映り、「両党の最大の違いは何か?」が良く解らぬのが現状である。「真の二大政党制」とはほど遠いと断ぜざるを得ず、政界再編が不可欠と考える所以である。

しかし、「本質的政界再編」は、言うは易く行なうは難しであろう。「権力」の側にいる人々は、たとえ主義主張が全く異なっても、敢えて「権力」から離れることはなかなか決断出来ぬものでる。また今の小選挙区制が再編を難しくしていることも事実であろう。

従ってこれを成し遂げるには固い信念と相当な豪腕の持ち主による荒技が不可欠であるが、筆者はその先導役を小沢一郎さんに期待するものである。
小沢さんは「今のままの枠組み」の下で首相になるよりも、「本質的政界再編」を成し遂げ、自分はそこですっぱりと身を引いてしまうことに最大のロマンを感じるタイプの政治家と推察する。

今後何十年先を見据えた、小沢さんの最後の大仕事に期待するや切。

                     石井和希(ジャーナリスト)


2007年07月19日

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