Vol.40 臓器移植法改正問題に関する「日本宗教連盟要望書」の全文

[臓器移植法関連]

日本宗教連盟(日宗連、理事長 山北宣久日本キリスト教連合会顧問・日本基督教団総会議長)は、3月29日、安倍総理あてに『第2次臨時脳死及び臓器移植調査会等の設置に関する要望書』を提出致しました。


臓器移植法を巡っては、ここ数年来、その改正を強く求める動きがある一方、反対意見も根強く、結局のところ改正案は国会で審議すらされていません。

そろそろこの問題に対し、専門家・関係者等による徹底的な検証と討論を経た上で、国民的合意を形成すべきであると考えていますが、今般、日宗連が極めて時宜を得た要望書を安倍総理に提出しましたので、以下にその全文を転載させて頂きます。

日宗連というのは、教派神道連合会全日本仏教会日本キリスト教連合会神社本庁新日本宗教団体連合会の5団体を協賛団体とする、わが国宗教界の殆どを網羅する最高峰の組織であり、その5団体の総意に基づく今回の要望書は極めて重いものと考えています。

尚、日宗連は、昨年11月「臓器移植法改正問題に対する意見書」を公表し、そのなかで既に今回提案の「第2次脳死臨調」の設置に言及していますが、今回の要望書では、より具体的にその必要性が述べられています。

本要望書の内容が一刻も早く実現することを切望致します。

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                       平成19年3月29日
内閣総理大臣
 安倍 晋三 殿

    第2次臨時脳死及び臓器移植調査会等の設置に関する要望書

 日本宗教連盟は、「臓器の移植に関する法律」(以下「臓器移植法」)の改正をめぐる問題に対し、平成18年11月16日に「意見書」を発表し、また12月13日、衆議院厚生労働委員会において参考人・意見陳述を行いました。
当連盟は、臓器移植法改正問題に関して、国民的議論と意見集約が必要と思料し、第2次臨時脳死及び臓器移植調査会等の専門機関の設置を要望いたします。

 臨時脳死及び臓器移植調査会の答申(1992年1月)から既に15年が経過し、12月13日の参考人質疑では、「脳死」の概念が根底から再検討を迫られていること、また、脳死状態での子どもの蘇生力が富んでいること、さらには移植年齢の引き下げに関して検証する明確な方法がない現状などが明らかにされました。
昨年10月初旬には、愛媛県宇和島市で生体間移植による臓器売買が行われていた事実が判明しました。

 こうしたことから本連盟は、現在、脳死・臓器移植及び生体間移植が直面している諸問題を解明し、その解決の方途を見出すためには、医学、科学、哲学、法律、宗教、倫理などの専門家による総合的な検討が必要であると思料いたします。

 私たちは、科学の進歩を否定するものではありません。
しかし、医療技術の発達が可能とした脳死・臓器移植及び生体間移植という治療法は、他者の臓器の摘出を前提としている限り、普遍的な医療にはなり難く、緊急避難的な治療法、過渡期的な治療法と言わざるを得ないと考えます。

 臓器移植法の改正は、国民の人生観や死生観に及ぼす影響が大きいことから、国民的議論と意見集約を目的とする、第2次臨時脳死及び臓器移植調査会等の専門機関の設置を要望いたします。

              東京都港区芝公園四丁目7_4明照会館内 
  
              財団法人    日 本 宗 教 連 盟   
              理 事 長    山  北  宣  久   

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2007年04月02日

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