vol.38「この世」と「あの世」(その2)ーディビッド・モームと「般若心経」

[「この世」シリーズ]

Vol.21「この世」と「あの世」ー魂のこと、輪廻転生のことーに記させて頂きましたが、私は「あの世」には「この世」でいうところの『時間』も『空間』も無いと考えています。

また、上記のなかで私は、【人の死後、魂は「あの世」へ行く】とか、【輪廻転生】について述べましたが、実はそれは飽くまでも『時間』も『空間』もある「この世」から捉えた認識であり、宇宙全体の半分でしかありません。

では、「あの世」から見たもう半分を加えた宇宙の全体像(実相)はどうなっているのか? 私はその答えを最先端物理学者の認識と「般若心経」のなかに見い出しています。

先ず、最先端の物理学ですが、ロンドン大学の理論物理学教授ディビッド・ボーム(1917〜1992、「全体性と内蔵秩序」の著者)は、『ホログラフィー宇宙モデル』のなかで、次のように述べています。


     宇宙は二重構造になっており、われわれがよく知っている
     物質的な宇宙(明在系)の背後に、もう一つの目に見えない
     宇宙(暗在系)が存在します。

     暗在系には明在系のすべての物質、精神、時間、空間などが
     全体としてたたみ込まれており、分離不可能です。


上記のうち、特に後段の、『、、、、全体としてたたみ込まれており、分離不可能です』に強い共感を覚えます。

ボームの言う「物質的な宇宙(明在系)」を「この世」に、「目に見えない宇宙(暗在系)」を「あの世」に変えてみますと、次のようになり、これまさに宇宙の実相であろうと強く感じます。


     宇宙は二重構造になっており、われわれがよく知っている
     「この世」の背後に、もう一つの目に見えない「あの世」が
     存在します。

     「あの世」には「この世」のすべての物質、精神、時間、空間
     などが全体としてたたみ込まれており、分離不可能です。


また、ボームが言っていることは「般若心経」の

     『色不異空 空不異色 色即是空 空即是色』

と全く同じと考えています。
「物質的な宇宙」が『色』、「目に見えない宇宙」が『空』です。般若心経は、次のようになります。


     「物質的な宇宙」は「目に見えない宇宙」と異ならず、
     「目に見えない宇宙」は「物質的な宇宙」と異ならない
     「物質的な宇宙」は即ち「目に見えない宇宙」であり、
     「目に見えない宇宙」は即ち「物質的な宇宙」です


また、『色』を「この世」に、『空』を「あの世」に変えてみますと、次のようになります。

 
     「この世」は「あの世」と異ならず、
     「あの世」は「この世」と異ならない
     「この世」は即ち「あの世」であり、
     「あの世」は即ち「この世」です

ボームが「般若心経」をどの程度知っていたのかはよくわかりませんが、ともあれ最先端を行く物理学者の辿り着いた先が「般若心経」に示されている宇宙感であったことは感動的です。

そう考えますと、ここ3〜4百年ほど世界を席巻してきた「近代合理主義」とはいったい何であったのかという思いを強くしますが、この点に関しましては、私の Vol.6「近代合理主義」の功と罪をご参照賜りたいと思います。


ボームや「般若心経」に較べますと、我々凡人は「時間」と「空間」のある「この世」に囚われ過ぎていて、宇宙全体の半分しか知らないような気がします。

絶対的な真理を知るためには、固定観念を捨てて伸びやかな発想をすることが肝要と考えています。(完)

2007年02月20日

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