自民党と民主党

[佐藤尊徳]

自民党が郵政造反組の復党を認めた。

この時期に決めなければいけなかった要因はいくつかある。
巷間言われている、1月1日をもって、政党に属していなければ、政党交付金が支給されないという事情もあろうが、戻す側の自民党にとってはたいしたことではない。もちろん、無所属議員にとっては死活問題。事実、ある造反議員は「企業献金も受けられないし、個人献金では限界がある。自民党に戻りたい」とこぼしていた。これだって、自民党は手数料(?)として、党が助成金の半分以上をせしめるのだが。

党側にとって、この時期に復党を決めたのにはわけがある。

人の噂も75日と言って、世間が騒ぐのは2〜3ヶ月くらいなものだろうと踏んでいるのだ。来年の参議院選近くまでこの問題を引っ張れば、明らかに選挙にマイナスになりかねない。しかし、半年以上も前のことになれば、選挙民もマスコミも忘れて問題にしなくなるだろうという魂胆だ。国民を明らかに愚弄した行為だと言わざるを得ない。政党が大義名分のないことをやったあとは、選挙民はきちんとした投票行動を示すことが重要だと考える。ま、戻す方も戻す方だし、土下座をしてまで戻る方も戻る方だが。

また、平沼赳夫氏を復党させないようにハードルを上げたことも、見逃せないポイントである。
確かに、世間で言われるように中川幹事長との政治信条の違いもあるが、中川幹事長が参議院執行部の影響力を削ぎたいと考えていた節がある。参議院は、青木氏—片山氏のラインが力を持ち、小泉前首相でさえも手をつけられなかった聖域だ。平沼氏は岡山県選出であり、強力な地盤を持つ。片山虎之助参議院幹事長は、岡山県選挙区から来年出馬する。もし、平沼氏が選挙協力をせずに、片山氏が落選するようなことになれば、自民党参議院のまとまりが崩れることになる。議席を一つ失う代わりに、参院執行部の力が弱まり、自民党執行部の影響力が増すという仕組みだ。

いずれにしろ、国民不在の政局を黙って見ているなら、選挙民としての品位も疑われる。投票行動に移すべきだ。

とはいえ、相手の民主党もだらしないのだが。 (完)

                     佐藤尊徳(「経済界」編集長)

2006年12月14日

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