Vol.16 「不殺生戒」を今あらためて

[その他仏教関連]

在家の人々に対する仏教の五つの戒め「五戒」、その第一番目は【不殺生戒】(ふせっしょうかいーー殺すなかれーー)です。


生きとし生けるものは、たとえ小さな虫一匹であれ、決して殺してはならないという教えです。


「人間」と「他の生き物」とは対称性の関係にある、「人間の命」と「他の生き物の命」とは繋がっているという考え方に基づく教えと理解しています。


現代生活において、この教えを完全に実行することはかなり無理があります。

しかし、一寸の虫にもかけがえのない「命」がある、殺すのはかわいそうとい う『慈悲の心』が拡がれば、無益な殺生は少なくなるでしょうし、いわんや「人間」を殺すなぞという野蛮で残酷なことはとても出来なくなる筈です。

ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の拠り所ともいえるモーゼの「十戒」にも、【殺すなかれ】はあります。

しかし「十戒」は【汝、我以外の何者も神にす るべからず】が最初の戒めであり、【殺すなかれ】はようやく五番目に(区切り方によっては六番目に)登場します。
しかもそれは「人間」を殺すなかれで す。

仏教の「五戒」と較べる時、一神教の何たるかがよくわかる気がしますし、またそこでは「人間」と「他の生き物」とは必然的に非対称の関係になると考えられます。

世界中で、特に9.11以降、「人間の命」が本当に軽くなってきています。明らかに何かが狂い始めていると思わずにはいられません。



「生きとし生けるものの命は等しく重い、一匹の虫も殺すな」というお釈迦様の教えが、今あらためて求められていると考えています。


尚「五戒」の残る四つは、

   【不偸盗戒】(ふちゅうとうかいーー盗むなかれーー)
   【不邪淫戒】(ふじゃいんかいーー邪淫するなかれーー)
   【不妄語 戒】(ふもうごかいーー嘘をつくなかれーー)
   【不飲酒戒】(ふおんじゅかいーー酒を飲むなかれーー) です。

                                 (完)

2005年01月21日

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